[かかりつけ医]<上>在宅医療 地域でサポート

読売新聞 2018年5月28日

Aさんの自宅で診察する笠松さん(左)と訪問看護師(徳島市で)
 病気が疑われる時、頼りになるのが身近な「かかりつけ医」だ。高齢化で自宅で療養する人が増える中、かかりつけ医を中心とした医療機関の連携も進み、患者家族の安心につながっている。地域の取り組みをリポートする。
 徳島市の元教員Aさん(58)は膀胱ぼうこうがんが進行し、自宅でほぼ寝たきりの生活を送る。5月中旬、同市の「かさまつ在宅クリニック」院長、笠松哲司さん(47)が訪問診療に来た。
 笠松さんは1週間ごとに訪問し、心臓の状態などをチェックする。「状態は落ち着いていますね」とAさんに声をかけた。
 がんの診断まで体に自信があったAさんには、かかりつけ医と呼べる存在は長年いなかった。約2年半前、入院先の病院を通じ、訪問診療を専門に担う笠松さんを紹介された。
 介護する妻(56)は訪問看護やヘルパーなども利用しながら、仕事を続ける。妻は「少しでも困ったら(笠松さんに)相談できてありがたい」とほほ笑む。
 生活習慣病が増える中、かかりつけ医の主な役割は、病気が悪化しないよう外来診療を通じ、患者の健康を継続して管理することだ。また外出がままならない患者の自宅などを定期的に訪問し、長期入院を防ぐことも、重要な役目となっている。

 ただ、かかりつけ医は、病院の医師に比べ周囲に頼れる存在が少ない。そのため地域によっては医療機関が連携し、かかりつけ医をサポートしている。
 徳島市は市医師会が主導し、かかりつけ医を支える複数のネットワークを作っている。
 かかりつけ医が診ている患者の容体が急変し、急性期病院への入院が必要になっても、ベッドの空きがないということはよく起こる。こうした時は、後方支援病院ネットワークが入院できる病院を紹介している。
 かかりつけ医が手いっぱいという時は、在宅療養支援診療所24時間ネットワークが代わりに対応。また専門外だという病気について、詳しい知識を持つ医師に相談できるようにした。
 患者への医師紹介システムも整えた。在宅で診てくれるかかりつけ医が見つからない患者には、ネットワークの中から速やかに医師を選びだす。市医師会には、在宅医療と介護の相談窓口も設置されている。
 市医師会の豊田健二常任理事(61)は「一人の特別な医師がすべてに対応するのではなく、地域の医療全体の力で住民を支えたい」と力を込める。

得意分野や資格をチェック…実際に受診して判断を
 かかりつけ医の定義について、日本医師会は「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知し、必要な時は専門医療機関を紹介するなど総合能力を有する医師」としている。専門の診療科が何か、訪問診療を行うかなどは問わない。
 ただ自分に合ったかかりつけ医を探すのは簡単ではない。「かかりつけ医は選ぶ時代」(北国新聞社)の著書がある金沢市の内科医、土山智也さんは、まずは医療機関やホームページに掲げられている情報をチェックすることをすすめる。医師の知識量や診療技術を見極めるのは難しいが、得意としている分野、専門医資格の種類は把握できる。
 次は実際に受診し、医師の説明の仕方や、受付の職員の対応などを見る。
 土山さんは「患者の状況を考えず、特定の治療法だけをすすめるような極端な考え方の医師は避けるべきではないか」と話す。

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