高額薬は保険適用、風邪は可能ならOTCで  厚労省・鈴木医務技監、「保険診療の重点」で問題提起

日刊薬業 2018年06月21日

 厚生労働省の鈴木康裕医務技監は20日、東京都内で開かれた全国公私病院連盟の定時総会で講演し、私見として、今後の議論が必要な課題に「保険診療の重点をどこに置くべきか」を挙げた。高額薬剤など“重い医療”を保険適用する代わりに軽い疾病は可能な範囲で一般用医薬品を使うなどの手法を取るのか、逆に日常診療に保険の重点を置き、一部の人しか使わない高額薬剤は自己負担や民間保険を使う形にするのかと問題提起し「日本国民や先生方(医師)はどちらを選ぶのか。私は個人的には前者だと思う」と述べた。
 鈴木医務技監は、人口動態や財政状況など医療界を取り巻く背景や、2018年度診療報酬改定のポイント、医師の働き方改革などについて講演した。
 その中で私見として「おそらくここ1~2年の間にわれわれは、保険診療の重点をどこに置くのかについて議論をしないといけない」と指摘。昨年、米国で承認を取得したCAR-T細胞療法(米国製品名=キムリア)を例示し「非常によく効く薬だが、1人5000万円ほどかかる。5000万円を保険診療に入れるべきかどうか」と言及した。
 その上で「有効だが個人ではとても払いきれない医療を保険診療でみるために保険料を払っていると考え、腹痛や風邪薬などは薬局でなんとかする。つまり重い医療に重点を置く」形と「日常の診療を保険でみることが保険診療であり、CAR-T細胞療法などは必要な人はいるが一握りなので自分の費用で払ってもらうか、民間保険でやってもらう」という、いわゆる“混合診療”を是認する形を仮に例示した。
 その上で「国民や医師はどちらを選ぶのか。どちらかを選ばなければならないとなったら、私は前者だと思う」と語った。

●薬剤の種類で給付率変更、議論の可能性ある
 また、薬剤の種類によって保険給付率を変える「可変給付率」の可否も議論になる可能性があると見通した。「抗がん剤の保険給付率は100%、ビタミン剤は0%」などが一部海外で採用されていると語り「生命予後に対する影響によって医薬品の保険給付率を変える」ことについての議論があり得ることを指摘。ただし、医薬品がどのグループに入るのかが「製薬企業には死活問題」になるため、難しい議論になるという認識も示した。

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