救急車?迷った際に電話「#7119」普及進まず…7都府県、4市・地域のみ導入

読売新聞 2018年6月10日

 病気やけがで救急車の出動要請が必要かどうかを電話で相談する共通ダイヤル「#7119」の普及が遅れている。2009年の制度化以降、導入は東京や福岡など7都府県と、政令市や複数自治体による広域圏の4市・地域のみ。救急車の出動件数が増加する中、総務省消防庁は導入を促すが、運営費や相談員確保が課題となっている。
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 「安静にして経過をみましょう。改善しなければ病院に行ってください」
 5月中旬、福岡市博多区の福岡県医師会館。「めまいがする」と共通ダイヤルに電話をかけてきた女性に、看護師は「緊急性は高くない」と判断し、アドバイスした。
 同県は16年6月に共通ダイヤルを開設した。昨年は3万3503件の相談があり、119番が必要なのは全体の3割ほどだった。
 自宅で転倒した90歳の女性のケースでは、 嘔吐おうと があったため119番を勧めた。女性は病院で外傷性硬膜下血腫と診断された。県の担当者は「重症なのに119番をためらうケースもある。不要不急の通報を減らすだけでなく、命を守る窓口にもなっている」と強調する。
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 しかし、同庁によると、共通ダイヤルを都道府県レベルで開設しているのは宮城、東京、埼玉、新潟、奈良、大阪、福岡の7都府県。政令市や広域圏の導入は横浜市や札幌市と周辺の4市・地域にとどまる。鳥取県が今年度から実施を決め、広島市も山口県東部7市町を含む周辺自治体に参加を呼びかけているが、他に動きはない。

ハードルになっているのが、費用と人材確保だ。
 共通ダイヤルは年中無休、24時間対応が原則。福岡県の場合、年間の運営費は約1億円。看護師27人が交代で対応している。未導入の大分県の担当者は「費用対効果などを研究したい」とし、佐賀県の担当者は、相談に対応する看護師らの確保を課題に挙げる。
 同庁は17年度から、導入自治体の職員や看護師らを導入していない自治体に派遣して、有効性を説明。開設時の補助金支給要件も緩和して、後押ししている。
 #7119 東京消防庁が2007年に初めて導入し、2年後に全国の共通番号となった。自治体が消防や医師会と連携して開設し、看護師や医師が症状を聞き取り、緊急性を判断する。都道府県単位の運用を原則とするが、総務省消防庁は政令市や広域圏での導入も認めている。

軽症者の搬送を抑制
 総務省消防庁が普及を呼びかける背景には、救急車出動件数の増加がある。2016年は全国で620万9964件に上り、01年比約181万件の増。通報から病院収容までの平均時間は39.3分で約10分延びた。出動したのに、軽症などを理由に「不搬送」だった事例は、全体の1割超あった。
 一方、共通ダイヤルを導入している東京都では、搬送者に占める軽症の割合が60.3%(06年)から54.9%(16年)に減少した。
 同庁は、出動件数が26年には約668万件になると推計しており、「緊急性の高い人に救急車を利用してもらうためにも、共通ダイヤルは有効。自治体に理解を求め、今後も導入を働きかけたい」としている。

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