【四国】JR四国、介護に参入リハビリ特化のデイサービス 香川に2店 ノウハウ吸収

2018年6月6日

 JR四国は6日、新事業としてリハビリ特化型デイサービスに参入すると発表した。専門企業と組み、今夏にも香川県内に2店舗を開業。運営ノウハウを学んで駅周辺のグループ資産を活用しながら、四国内で十数店舗の展開を目指す。人口減少下で鉄道事業収入が減る中、事業領域を拡大して高齢者の健康を支援し、鉄道や駅施設の利用を増やす波及効果を狙う。

共同事業で基本合意したJR四国の半井真司社長(右)とIIF社の別宮圭一社長(6日、高松市)

デイサービスを全国展開する
 インターネットインフィニティー(IIF、東京・品川)と共同事業で基本合意した。IIF社が全国に100店以上を展開する「レコードブック」ブランドで短時間リハビリ型デイサービスを提供する。
 まず、高徳線の栗林駅(高松市)の前、予讃線の丸亀駅(丸亀市)の前で8~9月に開業する。高架下などグループの空きテナントを改装する。設計・工事費、運動器具などの事業費は2店で約4000万円、年間売り上げは同約8000万円を想定している。
 利用の対象は、介護保険の要支援から軽度の要介護認定者で、四国内に約16万人いるとされる。こうした地域の高齢者の健康寿命を延ばすことに主眼を置く。デイサービスに多い中重度の要介護認定者向けに家族の負担軽減を目的とするものとは異なる。
 1店舗あたりトレーナー、看護師など5人ほどのスタッフを配置。利用者は1日3時間、週2回程度、年間を通じて身体機能や健康の維持・改善の運動プログラムを受ける。利用1回当たりの自己負担は500円前後になる見通し。
 介護保険制度も関係する新事業は「専門知識やノウハウが必要で独自にやるのは難しい」(JR四国)。当初2店舗はIIF社が運営主体となり、JR四国は運営や会員獲得、スタッフ募集などのノウハウを吸収する。そのうえで半年~1年後に運営を引き継ぐ。市場調査を踏まえ、四国内に十数店舗の出店を検討していく。

■鉄道事業への波及期待
 分譲マンションや宿泊特化ホテル、今回の高齢者向け新事業――。JR四国が事業領域の拡大策を相次ぎ打ち出すのは、主力の鉄道事業の伸びは見込めないためだ。
 域内の人口減少を反映し、鉄道の輸送密度(1キロメートルあたりの1日平均利用客数)は30年前に比べ3割低下。インバウンド(訪日外国人)をはじめ、四国内外を行き来する交流人口の増加はプラス材料だが、利用の低下に歯止めがかかったとはいえない。
 JR四国は2020年度を目標とする中期経営計画で、鉄道運輸収入は現状より低い228億円に設定。一方、事業開発などのその他収入は増やして74億円とし「伸びしろはまだある」(同社)とみる。
 今回の高齢者向けデイサービスは事業そのものより波及効果への期待が大きい。半井真司社長は「健康な高齢者は外に向かって動いてもらえる。旅行による鉄道利用、ホテル、駅店舗への波及効果も大きい」と話す。
 高齢者向け事業を契機に、駅を中心としたスポーツ関連などさらなる事業展開も模索する方向だ。

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