介護分野で外国人人材の受入拡大、経済財政諮問会議 社会保障費「具体的な数値で目安記載は難しい」

M3.com レポート 2018年6月6日 (水)配信高橋直純(m3.com編集部)
 政府は6月5日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、「骨太の方針2018」の原案を示した。人手不足が深刻な介護など5業種を対象に2019年4月に新たな在留資格を設けるなど、外国人労働者の受け入れ拡大を表明した。今後3年間の社会保障費抑制の数値目標は示さなかった(資料は、内閣府のホームページ)。

介護分野などで新た在留資格の創設
 「骨太の方針2018」の目玉となるのが、外国人人材の受入拡大方針だ。人手不足が深刻な介護、農業、建設、造船、宿泊など5業種を対象に2019年4月に新たな在留資格を設ける。2025年までに50万人超の就業を目指す。安倍首相は「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する必要がある。移民政策とは異なるものとして、新たな在留資格の創設を明記した」と説明。今秋の臨時国会にも入国管理法改正案を提出する方針。

社会保障費「具体的な数値で目安記載は難しい」
 プライマリーバランス(PB:基礎的財政収支)黒字化の目標年次を2025年に先送りする一方で、2019-2021年度を「基盤強化期間」とする。社会保障分野については「歳出改革の重点分野である。社会保障給付の増加を抑制することは個人や企業の保険料等の負担の増加を抑制し、こうした国民負担の増加の抑制は消費や投資の活性化を通じて経済成長にも寄与する」と説明。
 争点だった社会保障費の抑制の数値目標を示さなかったことについて、茂木敏充内閣府特命担当大臣は会議後の会見で「今後3年間はこれまで(2015-18年)の3年間と違った要素が出てくる。75歳以上の人口の伸びが過去3年の伸びの半分以下に減少する一方、賃金・物価の継続的な上昇が予想される。こういった変動要因もあり、具体的な数値による目安を記載することは難しい。毎年度の予算編成の過程の中で数値を明示することにしており、歳出改革の取組が緩むことはない」と説明した。
 ▽予防・健康づくりの推進▽生涯現役、在宅での看取り等▽医療・介護提供体制の効率化とこれに向けた都道府県の取組の支援▽医療・介護サービスの生産性向上▽見える化、技術革新を活用した業務イノベーション、先進・優良事例の横展開等▽医薬品等に係る改革等▽負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化、自助と共助の役割分担の再構築――について、項目立てをして具体的な対応を記した。
 会議では、世耕弘成経産相が「社会保障については、一人一人が何度でもチャレンジでき、生涯現役でいられる社会を実現することが重要。そのためには、全世代型の社会保障を整備し、経済社会の構造をダイナミックに変えることで持続可能性を高めていくことが必要」、麻生太郎財務相が「前回の諮問会議で、2019~2021年度の期間内から社会保障制度をはじめとする改革を実行に移し、遅くとも2025年度までにPB黒字化を確保するべきと申し上げた。今回の原案はこうした趣旨が反映されており評価をしたい。これから党の意見も伺いながら成案を得て、経済再生と財政健全化の両立にしっかりと取り組んでいきたい」とコメントした。

安倍首相の会議でのあいさつは以下の通り。
 「本日は、第一に外国人材の受入れについて、菅官房長官、上川大臣に検討いただいた結果の報告を受けた。地方の中小・小規模事業者をはじめとして人手不足が深刻化している。このため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する必要がある。本日提示した骨太方針の原案において、移民政策とは異なるものとして、新たな在留資格の創設を明記した。両大臣におかれては、与党と調整を進めていただき、閣議決定に向けた御尽力をお願いする。
 第二に、骨太方針の原案について議論した。今年の骨太方針では、持続的な経済成長の実現に向けて、潜在成長率を引き上げるため、人づくり革命と生産性革命に最優先で取り組みながら、あらゆる政策を総動員することを示したい。
 また、2019年10月の消費税率引上げに当たっては、経済変動を可能な限り抑制するため、機動的な対応を図る。さらに、引き続き経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針を堅持し、団塊世代の全てが75歳以上となるまでに財政健全化の道筋を確かなものとするため、2025年度の国・地方を合わせたプライマリーバランス黒字化を目指す。
 茂木大臣には、与党とも調整を進め、骨太方針として閣議決定できるよう御尽力いただきたい」

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