子ども難病治療に必要情報 臼杵のベンチャー、家族向けシステム構築

西日本新聞 2019年6月28日

 子どもの難病に関する治療法や医療機関を調べ、その情報を患者家族に提供する小児慢性特定疾病レファレンスサービス「子ども難病ナビ」が注目を集めている。臼杵市佐志生のベンチャー企業「隼斗」がシステムを構築し、昨年3月からサービスを開始。情報は治療に当たる医師や病院にも提供しており、子どもの症状が回復に向かうケースも出ている。
 同社によると、子どもの難病治療に関する論文や文献などはインターネットで入手できるが、外国語で書かれたものがほとんどで、専門用語も多い。中には誤ったものもあり、患者家族は必要な情報を得にくい状況にあるという。
 同社会長の木許心源さん(45)は2017年1月、知人から子どもの難病治療の相談を受け、同社社長でシステムエンジニアの毛利隼斗さん(34)と医療機関を探す一方、システム開発に乗り出した。
 カナダのトロント大学で神学を学んだ木許さんは、国内外のシンクタンクに在職中、情報を蓄積、整理して、活用できる状態にしておく「図書館情報学」を研究。その技能などを生かし、世界の120を越える医療機関のオープンデータベースや未公開情報などの中から、欲しい情報をピンポイントで引き出せる独自のシステムを構築した。
 外国語の情報は米国とカナダのスタッフらと翻訳。国内外の医師約10人や医療に詳しい弁護士らと連携し、情報の正確性や安全性も確保しているという。
 隼斗では、子どもの状態などを聞き取り、必要な情報を調べて家族に報告。翻訳を含め約2日で情報提供できるという。
 木許さんの知人の子どもは、システムで見つけた国内の小児脳神経外科医に治療を受け、来年から小学校に通えるように。実績は口コミで広がり、既に約200件の相談を受け、うち85件で症状が回復しているという。医療機関への情報提供も20件を越える。
 今後は、医師が適切な医療情報を入手する手間を省き、治療に集中できるよう、医師向けの情報提供に力を入れる方針。患者家族には無料提供を検討するという。木許さんは「難病治療は患者家族の経済的負担が大きく、それを少しでも軽減できるよう支援していきたい」と話している。
 厚生労働省によると、同省が指定する子どもの難病「小児慢性特定疾病」は計756疾病で、対象者は約11万人。隼斗のシステムは2月、新しいアイデアや成長性のあるプランに贈られる県ビジネスプラングランプリで優秀賞を受賞した。

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