【千葉】“たん吸引中にこん睡 脳に障害” 千葉大に賠償命令 東京地裁

NHK 2019年1月10日
 7年前、千葉大学の附属病院で20代の男性がたんの吸引中にこん睡状態となり脳に障害が残ったとして、男性と家族が訴えた裁判の判決で、東京地方裁判所は看護師らの処置にミスがあったと認め、大学に対し1億5000万円余りの賠償を命じました。 埼玉県に住む26歳の男性は平成24年の20歳の当時、千葉大学医学部附属病院で気管を切開する手術を受け、その4日後にたんの吸引の処置を受けていたところ、容体が急変してこん睡状態となり、脳に障害が残ったとして男性と家族が病院に賠償を求めていました。 10日の判決で、東京地方裁判所の佐藤哲治裁判長は、「たんの吸引を行っていた2人の看護師は、男性が激しく抵抗するなど異常な事態となっていたにもかかわらず、吸引を中止せず、応援も求めなかったことから、看護師に過失があったと認められる。適切な処置をしていれば、男性の脳に障害が生じることはなかった」と指摘して、千葉大学に対し1億5300万円余りの賠償を命じました。 判決後に開かれた会見で、男性の父親は、「初歩的なミスが重大な事故につながるということが明らかになったのは大きな意義があると思います。病院には今後、息子の回復のために治療に全力を挙げてほしい」と話しています。 判決について、千葉大学医学部附属病院総務課は「判決文を確認できていないので コメントについては差し控える」としています。

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