「医療的ケア児」の診療情報、ネットで共有…外出先で急変時に医療機関に提示

読売新聞  2019年1月10日
 難病や障害のため、日常生活で人工呼吸器の装着やたんの吸引などが必要な医療的ケア児の診療情報をインターネット上に保管し、外出先で体調が急変した場合などに、家族が情報を引き出して医療機関と共有する仕組みを厚生労働省が整備する。急変時に備えた環境を整え、ケア児が旅行や遠足など遠くに出かけやすいよう支援する。新年度の開始を目指す。
新年度に開始 医療的ケア児は医療技術の進歩で年々増え、2016年の推定人数は約1万8300人と10年前の1・8倍。難病の種類や障害の状態が子どもによって異なるため、ふだんの様子をよく知る医師でないと急変時に対応しにくいとされる。家族からは、遠出が難しいとの声が上がっていた。 厚労省はネット上でデータを保管するクラウドを利用し、診療情報の管理システムを提供する。まずケア児の家族がスマートフォンなどを使い、病気や障害の状態、薬の種類、酸素投与の有無、たんを吸引する機器を使っているかといった情報を登録する。情報はパスワードなどで保護する。 次に家族の同意を得て、ケア児のかかりつけ医が登録内容を確認し、必要に応じて修正や追加を行う。家族はスマホなどで、いつでも情報を呼び出せる。子どもが外出先で体調を崩し、救急車で搬送された場合などには、呼び出した情報を現地の医療機関に示し、迅速な治療に役立てる。 厚労省は19年度予算案にシステム運用経費として約7500万円を計上した。ケア児の家族会や支援団体などを通じてシステムの周知を始めており、今月中に同省のホームページで情報の登録方法も案内する。 将来は、個人情報保護に配慮した上で、学校や支援施設が、診療情報を呼び出せるようにすることを検討する。ケア児の受け入れは自治体によって差があるが、遠足や社会科見学では、家族の同伴を求めることが多い。情報共有が進めば、ケア児だけで参加できる機会も増えると期待される 認定NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」(東京)専務理事の福島慎吾さん(53)は「急変などが心配でケア児の家族は遠出しにくく、このシステムはとてもありがたい。学校や施設の先生とも診療情報を共有できれば、活動の幅が広がる」と話している。
【医療的ケア児】 入院・治療後も、自力での呼吸や食事、排せつなどが難しく、自宅などで生活する際に医療的な介助が欠かせない子ども。新生児の治療技術の向上で、低体重や先天的な病気など、以前は救うことが難しかった命が助かるようになったことで増えている。

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