神奈川新聞　 2018年11月12日

　認知症患者らの安全な暮らしを守ろうと神奈川県警座間署は８日、座間市相模が丘５丁目で「塚原クリニック」を開業する塚原信也院長（５１）と相互連携の協定を結んだ。
　協定は、高齢者を狙った振り込め詐欺の未然防止や、徘徊（はいかい）による行方不明に備えた事前登録、事故抑止に向けた免許自主返納の促進を支援するのが目的。同院は認知症患者が多く通院しており、署が作成したチラシを配布し、患者や家族に警察や市の担当窓口への相談を働き掛ける。
　警察と開業医のこうした取り組みは市内で初めて。塚原院長は「患者さんにも振り込め詐欺に遭った人、運転機能の低下で交通事故を繰り返す人がいる。協定によって信頼関係が築けて相談に導きやすくなる」と述べた。
　川口博幸署長は「振り込め詐欺対策は手を尽くしているが、なかなか歯止めがかからない。かかりつけ医から注意してもらうことで予防効果を高めたい。他の先生にも声を掛け、協定医院を増やしていきたい」と話している。
　署によると、市内の今年（１１月７日現在）の振り込め詐欺は４２件発生、被害総額は約５７００万円。９月末までの免許自主返納は３４３件（暫定）で７０代以降の住民が主体になっている。

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