【東京】出版:医療的ケア児の現状紹介 短期入所施設「奮闘記」 印税は寄付 元NHKアナ・内多勝康さん

毎日新聞 2018年9月11日

 たんの吸引などが必要な医療的ケア児と家族のための医療型短期入所施設「もみじの家」(世田谷区)のハウスマネジャーで、元NHKアナウンサーの内多勝康さん(55)が「『医療的ケア』の必要な子どもたち~第二の人生を歩む元NHKアナウンサーの奮闘記~」(ミネルヴァ書房)を出版した。関連法や病気の説明、家族や施設が抱える課題などを盛り込んだ「入門書」になっている。印税は施設に寄付される。
 もみじの家は2016年4月、国立成育医療研究センター(同区)が運営する国内初の公的な専門施設として設立された。同書は医療的ケア児をめぐる現状を、豊富な事例を元に紹介している。
 さまざまな子どもが登場する。心臓病を抱えた愛媛県の女児は、医師から「寝たきりになる可能性がある」と告げられたが、療育施設で同年齢の子と交流するなかで歩けるようになり、公立小に通い、酸素吸入が不要になるまでに回復した。人工呼吸器と車椅子を使う13歳男子は「いつか自立し、母の負担を減らしたい」と、1人でもみじの家に2泊した。気象予報士になるのが夢だ。
 同書に紹介された多くの事例は、適切なケアと場所があれば、子どもは医療の常識を超えて成長し、社会性や夢を育むことを示している。
 課題もある。児童福祉法で保障されているはずの「全ての児童の成長・発達や福祉」が、医療的ケア児に対しては十分になされていないことも指摘されている。実際、同様の施設は全国的に不足しており、もみじの家の利用登録の面談も1年待ち。背景には、公的な制度からの報酬が足りず、4割を寄付で賄うという不安定な運営がある。同書は、医療と福祉の両方を提供する施設に新たな支援モデルを構築することを提言している。
 内多さんは「本を買ってくださった方の思いが直接支援に結びつくように」と、自身に入る印税は必要経費を除き全て「もみじの家」に寄付するという。
 2200円(税別)。問い合わせはもみじの家(03・5494・7135)。

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