医療事故再発、投薬時の「患者取り違え」が最多 医療機能評価機構が公表
日本医療機能評価機構は、2014年から16年に公表した「医療事故情報収集等事業」の医療安全情報のうち、17年に再発したり類似のケースが発生したりした19項目を公表した。これらのうち最も多かったのは、投薬時の「患者取り違え」(6件)だった。
6件のうち1件では、看護師Aは患者Xの経腸栄養剤と抗けいれん薬の投与を看護師Bから依頼された。
看護師Aはリストバンドなどで氏名を確認しないまま、患者Yを患者Xと思い込み、患者Yに経腸栄養剤と抗けいれん薬を投与した。看護師Bが患者Yの病室に行ったとき、患者Xの氏名が書かれた栄養剤のボトルが接続されているのに気付いた。
別の事例では、患者は右前胸部にCVポート、左前腕に末梢静脈ルートを留置していた。CVポートから投与するフルカリック3号輸液を調製するときに、看護師Cと看護師Dは混注する薬剤の内容と量を確認したが、投与経路はチェックしなかった。
看護師Dは、注射指示書の投与経路の指示を確認しないまま、その輸液を末梢静脈ルートに接続した。8時間後に患者が左前腕の痛みを訴え、発赤・腫脹・熱感を認めた。
患者の取り違え以外では、▽磁性体(金属製品など)のMRI検査室への持ち込み▽胸腔ドレーン挿入時の左右の取り違え▽口頭指示の解釈の間違い▽誤った患者への輸血▽中心静脈カテーテル抜去後の空気塞栓症―などの事例が報告されている。
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