【兵庫】医療知識持った管理栄養士育成 関西初、甲南女子大

神戸新聞  2018年6月11日

 医療や介護現場で求められる管理栄養士を育てるため、神戸市東灘区の甲南女子大が4月、医療栄養学部を開設した。医療知識の習得に重点を置いた養成学校・施設は「関西では初めて」といい、第1期生として81人が入学した。2025年には全人口の約3分の1が65歳以上となる超高齢化社会が到来する。終末期を過ごす場所の選択肢も広がる中、医療知識が豊富な管理栄養士の需要は高まるとみられる。
 「管理栄養士は患者さんを支援する栄養サポートチーム(NST)の司令塔。医師や薬剤師に対し、どういう理由で食事を変えるかを説得しないといけない」。学生らを前に同学部長の宇佐美眞教授(68)が、医療現場での管理栄養士の役割について説く。
 同学部は、管理栄養士課程に必要な82単位に加え、医療分野の「臨床栄養学」と「人体の構造と機能および疾病の成り立ち」を計10単位増やしてカリキュラムを構成。同大看護リハビリテーション学部や神戸薬科大(東灘区)と連携し、チーム医療の基礎を学ぶ科目も設けた。病院のNSTで活躍できるように、実習先としてチーム医療の実績がある神戸大付属病院などを用意。医療英語の習得にも力を入れる。
 病を抱えた患者と向き合う管理栄養士の中には、より専門的な医療知識を身に付けようと、現場に出てから独学で知識を深めるケースが多い。
 「仕事をしながら自分で勉強し、透析の知識に詳しくなった」。公立八鹿病院(兵庫県養父市)で訪問栄養食事指導を担当する管理栄養士の岡本依子さん(37)は振り返る。
 岡本さんは現在、約50人の患者宅を月1、2回ずつ訪問し、食事指導を行う。がん治療や糖尿病の合併症による透析治療、のみ込む(嚥下(えんげ))機能が低下している患者が多くを占める。医療の知識を深めた結果、「検査結果から患者の状態を複合的に観察でき、判断がしやすくなった」とする。
 例えばカリウムやナトリウムの数値に変化が出た場合、脱水状態なのか、腎疾患の影響なのか、肉や黒砂糖を多く食べていないかなど、要因を推察し、患者への聞き取りも踏まえて食事指導を行う。「専門的な医療知識は、在宅医療でより必要になる。介護施設などのほかの施設で働く際も役に立つはず」と話す。
 日本静脈経腸栄養学会が認定したNSTを置く病院施設は今年2月22日時点で1418施設と、05年の274施設から大幅に増加。日本栄養士会も13年度から在宅栄養専門管理栄養士など、より専門に特化した技術を認定する資格を人材育成事業として始めた。
 団塊の世代が75歳以上になる2025年以降、死者数が急増する「多死社会」が予想され、自宅や地域で過ごして治療を受ける患者や要介護者の増加が見込まれる。宇佐美教授は「在宅医療を促す4月の診療報酬の改定もあり、これまで以上に管理栄養士は必要とされる。医療の知識を十分に持った人材を育てないといけない」と話す。

「ポチッ」して頂けると励みになります♡

仲間募集中

業務拡大につき、看護師、理学療法士、作業療法士、事務職+保育士・歯科衛生士・栄養士・管理栄養士さんを募集中。
週1回1時間から働ける柔軟で明るい職場で、子育てママや社会人学生も在籍。
すぐに考えていないけれど、少しでも御関心があれば、とりあえず雑談させて下さいませ。

コメントを残す