「寄付してくれたら結婚します」 白血病の妹を助けるための嘘で約1400万円
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<貧しい家族の長女は我が身を投げ打って妹を助けようとしたけれど、結婚できると信じて寄付した人はどうなる…?>
ある中国人女性が、10代の妹を救いたい一心で吐いた嘘が話題を呼んでいる。
偽りの情報を発信したのは、河南省南部の出身のツィ・チャオ(23)。香港英字紙 サウスチャイナ・モーニングポストが、ウェブサイト「 The Paper」を引用して報じたところによると、チャオは白血病の妹の治療費を援助してくれたら結婚すると言って、寄付金を集めた。その額、80万元(約1400万円)。
(右の写真がツィ・チャオ。左は妹を看病する様子)
障害を持つ母親にごみ収集作業員の父親。到底足りない
チャオの家族は貧しい田舎から出てきた。ごみ収集作業員の父親の稼ぎは一カ月でわずか1000元(約1万7150円)。母親は身体に障害があるため働けない。
さらに、14歳の妹は病魔に冒され河南省鄭州市の病院に入院。姉は妹の世話をするために幼稚園教諭の仕事から離れて献身的に看病する日々だ。妹の治療費を賄えるほどの余裕はない。
妹の治療費を集めようと、まず妹の通う学校がウェブサイトを通じて寄付を呼び掛けた。しかし、これでは十分な金額に届かなかった。そうこうしている間にも、刻一刻と悪化する妹の容態。姉は焦りを募らせた。
「家族がみすぼらしいことを知られたくなかった」
そこで姉は寄付金を集めるオンラインサイトで治療費を得るために嘘を吐くことを思い立つ。寄付金の募集に書き加えたのは、「妹の治療費を提供してくれる人と結婚します」。これで世間から寄付への注意を引けると思った。
すると想像以上の反響があった。嘘だと知らずに、結婚できると信じた人から寄付が集まり、当初目標としていた50万元(約860万円)を遥かに超える80万元(約1400万円)に達した。
ツィ・チャオは「妹の治療費を提供してくれる人と結婚します」というのは嘘だと白状し、「周囲に自分の家族がみすぼらしいことを知られたくないという思いから出てしまった嘘だった」と弁明。「妹を助けるためにできることは何でもする」と言う。自分の骨髄と妹のものとの適合性はまだ確認できていないが、適合すれば妹のドナーになるつもりだ。
ただ、ツィ・チャオと本気で結婚したいと願って、その引き換えに寄付した人はどうなるのか、返金措置の有無など、状況は明らかでない。
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