障害者ホーム外部点検導入　　医療的ケア児支援強化

Medifax digest 2023年12月8日

　厚生労働省は6日、障害福祉サービス事業所に支払う報酬や、事業所の運営基準の2024年度改定に向けた基本方針をまとめた。障害者向けグループホームの運営状況を地域住民ら「外部の目」で点検する仕組みを導入する。人工呼吸器の装着やたんの吸引といった介助が必要な「医療的ケア児」への支援を強化し、報酬を手厚くする。基本方針は6日の有識者検討会が大筋で了承した。
　障害者向けグループホームでは虐待など不適切な対応が一部で問題となり、運営大手「恵」（本社東京）による食材費の過大徴収も判明。透明性の確保が課題となっている。事業所が地域住民や入居者、その家族らによる会議を設置し、運営や支援の状況を確認する仕組みを25年度から義務化する。
　医療的ケア児への対応では、自宅にヘルパーを派遣したり、入浴支援を行ったりした場合に報酬を厚くする。
　入所施設には、利用者が施設を出て身近な地域での生活を希望するかどうかの意向確認を省令で義務化。意向確認の担当者の選任など体制を整備できていない事業所は、26年度から報酬を減らす。新たな感染症が流行した場合、感染した入所者を施設内で療養させた場合は報酬を積み増す。
　障害福祉サービス報酬や運営基準は3年に1度改定。報酬の改定率は24年度予算の編成過程で決める。