【福岡】貧しくて諦めた九大に5億円寄付 独学で特許得た80歳
朝日新聞 2018年5月12日
学生の支援に役立ててもらおうと、福岡市の男性が九州大学に5億1600万円の寄付をした。「財産を残すより若い方に渡した方が、お金が生きる」と考えた。九大はこれを元に奨学金制度をつくり、学生の留学や修学を支援する。
男性は中本博雄さん(80)=福岡市城南区。11日、久保千春・九大総長に寄付金の目録を手渡した。
中本さんは小倉西高校在学中、恩師に九大進学を強く勧められた。だが家庭が貧しく、泣く泣くあきらめた。「先生が家に5回も来てくれたが、おやじは返事をしてくれなかった」
勉強したいという思いは消えず、働きながら独学。1972年ごろ、静電気を使ったコピー機関連の特許を米国で取ったという。「情熱が執念に変わるまで勉強すれば道は開ける」。87年に福岡市で印刷会社「青陽社」を創業。財産を築いた。
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