緊急事態宣言下では「日本国内すべての医療機関、薬局、訪問看護ステーション」が診療報酬臨時特例の対象―厚労省


Gemmed 2021.4.23.

 緊急事態宣言が発せられた場合、緊急事態措置を実施すべき区域はもちろん、それ以外の区域でも(つまり日本国すべて)、医療機関、薬局、訪問看護ステーションにおいて「定数超過入院であっても診療報酬の減額は行わない」などの診療報酬臨時特例の対象である(緊急事態宣言の期間を含む月単位での取り扱いとなる)―。
 厚生労働省は4月21日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れた保険医療機関等における施設基準等の臨時的な取扱いについて(再周知)」を示し、こうした点を再確認しました(厚労省のサイトはこちら)。

新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、診療報酬上の措置を2020年から順次拡大
 昨年初頭から我が国でも新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、医療現場の柔軟な対応を可能とするための「診療報酬の臨時特例措置」が数多く行われています。▼新型コロナウイルス感染症患者が多数発生し、通常より「多くの患者を受け入れなければならない状況に」対応するため▼新型コロナウイルス感染症の重症患者に医療資源を重点対応しなければならず、病棟・病床閉鎖を余儀なくされる医療機関の経営を支援するため▼感染防止策を徹底するための医療機関のコスト増に配慮するため―などさまざまな角度からの支援が行われています。
 現在、感染力の強い変異株による「第4波」が到来し、東京圏・大阪圏を中心にみたびの「緊急事態宣言」発出が検討されています。そうした中では「感染防止策の徹底」と「医療提供体制の確保」が、これまで以上に重要な政策課題となります。
 こうした状況を踏まえて厚労省は、通常より「多くの患者を受け入れなければならない状況に」対応するための診療報酬上の臨時特例措置を次のように再整理しました。
 まず「新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、通常より多い入院患者を受け入れる」ケースについて、次のように診療報酬上の不利益が生じないような施設基準等が緩和されます。患者受け入れを医療機関サイドが躊躇しないような配慮です。

▽一時的に「定数超過入院」となっても、診療報酬の減額(入院基本料では10%減、特別入院料では20%減)措置は適用しない(関連記事はこちら、厚労省のサイトはこちら)
▽看護職員の「月平均夜勤時間数」について、1割以上の一時的な変動があった場合でも、当分の間、変更届け出を行わなくてよい(関連記事はこちら、厚労省のサイトはこちら)
▽「1日当たりの勤務する▼看護要員の数▼看護要員の数と入院患者の比率▼看護師・准看護師の数に対する看護師の比率―」について、1割以上の一時的な変動があった場合でも変更届け出を行わなくてよい(関連記事はこちら、厚労省のサイトはこちら)
▽DPC対象病院において、「参加基準」を満たさなくなったとしても届け出を行わなくてよい(関連記事はこちら、厚労省のサイトはこちら)
▽「平均在院日数」「重症度、医療・看護必要度」「在宅復帰率」「医療区分2・3の患者割合」などの要件について、基準値を満たさなくなった場合でも、直ちに施設基準の変更届け出を行わなくてよい(関連記事はこちら、厚労省のサイトはこちら)

 ただし、これらは新型コロナウイルス感染症が蔓延する中での特例であり、基本的には「新型コロナウイルス感染症対策に何らかの形で貢献している」医療機関が対象となります。もっとも、感染者が増加し、医療提供体制が逼迫する中で「緊急事態宣言」が発せられた場合には「すべての医療機関」が対象となります。今般の事務連絡では、次のような点が再確認されています。
 近く、東京圏・大阪圏で緊急事態宣言が発せられる見込みであり、その場合には「日本国内に所在するすべての医療機関、薬局、訪問看護ステーションで、上記の診療報酬臨時特例措置が適用」されます。

▽次に該当する期間について特例の対象とする(当該期間を含む月単位で取り扱う)
▼新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れた保険医療機関等(「新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院が必要な患者」を受け入れた保険医療機関もここに該当する)
▼上記に該当する医療機関等に職員を派遣した保険医療機関等
▼学校等の臨時休業に伴い、職員の勤務が困難となった保険医療機関等
▼新型コロナウイルス感染症に感染し又は濃厚接触者となり出勤ができない職員が在籍する保険医療機関等

▽緊急事態宣言において「緊急事態措置を実施すべき期間」とされた期間については、緊急事態宣言において緊急事態措置を実施すべき区域とされた区域にかかわらず、「全ての保険医療機関等について、当該臨時的な取扱いの対象」とする(当該期間を含む月単位で取り扱う)
▽訪問看護ステーションについても、上記と同様に取り扱う(基本的には新型コロナウイルス感染症対応へ貢献した事業所、緊急事態制限時は対象区域に所在するすべての事業所)
▽新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院が必要な患者を受 け入れた保険医療機関についても対象医療機関等とみなす
▽「蔓延防止等重点措置」が発せられた場合には、「当該区域を含む都道府県に所在するすべての医療機関、薬局、訪問看護ステーション」を上記特例の対象とする(当該期間を含む月単位で取り扱う)

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