「医療的ケア児」の支援 来月から強化へ 厚生労働省
NHK 2021年3月14日
重い障害でたんの吸引などが欠かせない「医療的ケア児」とその家族を支援するため、厚生労働省は日中に預かる施設への報酬を来月から手厚くします。
医療の進歩で助かる命が増える一方、重い障害が残って日常的なたんの吸引や人工呼吸器などが欠かせなくなる「医療的ケア児」も増加し、おととしの推計では全国で2万人を超えています。
保護者からは「子どものケアに追われて、きょうだいの育児に手が回らず、仕事との両立もできない」などと支援を求める声が出ていました。
こうした中、厚生労働省は、障害者に福祉サービスを提供する事業者に支払う報酬を来月、3年ぶりに改定するのに合わせて、全体の報酬を0.56%引き上げ、医療的ケア児への支援も強化する方針です。
これまで施設からは、医療的ケア児を受け入れてもほかの障害児と報酬が変わらず、採算が取れないといった声が出ていたことから、障害のある子どもを日中に預かる「通所サービス」について、医療的ケア児に特化した区分を新たに設けます。
施設には、子どもに必要なケアの程度に応じて看護職員を配置するよう求め、配置した人数などに応じて報酬を上乗せします。
また、看護職員の配置が難しい小規模な事業所のために、医療機関から看護職員の派遣を受けた場合の報酬も大幅に加算し、例えば医療的ケア児1人を半日まで預かった場合の報酬は5000円から8000円に引き上げます。
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