高齢者施設、警戒強化の中の感染「これ以上何をすれば」

朝日新聞 2020年2月24日
 東京都で22日、介護老人保健施設で利用者を送迎する運転手を務めていた60代男性職員の感染が確認された。介護の現場では食事や入浴など職員と入所者が密接に関わることが多いうえ、高齢者は重症化しやすいとされる。各地の施設では警戒を強めてきたが、情報の少なさや対応の限界を訴える声も上がる。
 都によると、男性は風邪のような症状が出たため、12日に医療機関で受診。その後に出勤したのは翌13日だけだが、発症前の勤務状況は調査中だという。
 都は施設の入所者を含め濃厚接触者の有無などを調べており、保健所は施設に消毒作業を指示したという。都幹部は「介護老人保健施設の職員はマスクの着用を徹底しているし、発症後の勤務日も1日だけだ。ただ、高齢者は感染すると重症化しやすいので心配だ」と話す。
 東京都日野市の老人保健施設では、職員にマスク着用や手洗いなどの徹底を求め、利用者には外出時に人混みを避けるよう呼びかけている。男性職員は「市内で感染者が出たら、危機感をもって対応できる。だが、踏み込んだ対策をするには、『都内で新たな感染者が出た』というだけでは、あまりに情報が少なすぎる。もっと詳細な情報を発表してほしい」と述べた。さらに、感染したのが送迎を担当していた職員だったことについて、「送迎する職員は色々な場所を訪れ、通所の人も含めて様々な人に接する。より対策が難しいと思う」と指摘した。
 「職員がウイルスの媒介者にならないよう注意しているが、これ以上何をすればいいのか」と嘆くのは、大田区の高齢者施設の担当者。施設は50代から100歳を超える人まで約60人が入所しており、17日から家族らに面会を控えるよう呼びかけている。職員に検温結果の提出を義務づけているほか、入所者への荷物や施設への物資の受け渡しは玄関先で行うなど、ウイルスを内部に持ち込ませないよう工夫しているという。担当者は「ウイルスの潜伏期間など、わからない面もあるが、限られた情報の中でも最大限の対策はしていきたい」と話す。
 北九州市門司区の特別養護老人ホーム「陽光園」は訪問客に手の消毒とマスク着用を求め、熱や下痢などかぜに似た症状があれば訪問を断っている。職員も同様の症状があれば出勤しない取り決めだ。入所者は60代~105歳。症状が出た場合、別の部屋や棟に隔離する。職員は「入所者は基礎疾患がある人が多く、肺炎にかかれば重症化しやすい。近くで感染者が出ないか気がかりだ」と話す。
 大阪府枚方市の特別養護老人ホームは14日以降、マスクを持参しない家族らの面会を断っている。インフルエンザなどが流行する時期には面会者にマスク着用を求め、忘れた人には備蓄用を提供してきた。だが、マスクの入荷見通しが立たず提供すると通常業務に影響が出る恐れがあるため、断ることにしたという。

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