【香川】「ワンチーム」要介護防ぐ 医療と食品業者連携

共同通信  2020年1月6日

 加齢により心身が老い衰え、介護が必要になる一歩手前の「フレイル」という状態にあるお年寄りを元気にしようと、香川県の医療・福祉関係者と食品事業者らが連携を強めている。職種を超えた問題意識の共有は、のみ込む力が落ちた人向けのケーキや、高齢者の食料品買い出しツアーを生み出した。
 中心になっているのは「高齢者の低栄養防止コンソーシアム香川」。高松市で在宅診療を手掛ける三宅敬二郎(みやけ・けいじろう)医師(63)の呼び掛けで2017年9月に発足した。これまで4回の全体会合を重ね、三宅さんは「早く手を打てば介護費用を抑えられる」と指摘する。
 高松市の菓子職人高嶋大樹(たかしま・たいき)さん(39)は「社会貢献になるなら」と18年にのみ込みやすいケーキの開発に着手した。スポンジをシロップに浸し、口に入れた瞬間に溶けるようにした。
 のみ込みやすい食品は「嚥下(えんげ)調整食」と呼ばれる。医療関係者と初めて接点を持った高嶋さんは「意外に需要があると知った」。手間がかかるため単価は高めだが、販路さえ開拓できれば商品化を見込めるという。
 高齢者が頻繁に訪れる薬局への期待も大きい。高松市の薬剤師安西英明(あんざい・ひであき)さん(70)は「医師の目が届きにくい食生活の相談に乗りたい。栄養士の役割に近いが、これから職種の境界は薄まっていく」と話し、関係者が縦割り意識を取り払う意義を強調する。
 香川県の山間部、まんのう町の歯科診療所で働く木村年秀(きむら・としひで)さん(58)は歯科医として高齢者の地域包括ケアに携わってきた。地元のスーパーと提携し、お年寄りを集めた買い物ツアーを発案。月1回実施している。ツアーの参加者は笑顔が絶えないという。
 木村さんは高齢者と向き合う中で、フレイルにつながる栄養不足の原因はのみ込む力の衰えよりも、孤立に起因する食べる楽しみの消失にあると気付く。「医療はばらばらになり過ぎている。これからは各職種をつなぐことが大事」と話した。

 ※フレイル

 加齢によって筋力や認知機能といった心身の活力が低下し、要介護の一歩手前の状態を指す言葉。英語で虚弱を意味する「Frailty(フレイルティー)」を基にした造語で、2014年に日本老年医学会が考案した。身体的な衰えにとどまらず、独居や経済的困難に起因する孤立感など社会的な問題を含む概念。食生活の改善や交流機会の拡大で改善が可能とされ、介護費用を抑えるためにも対策が求められている。

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