障害者施設反対、21都府県で68件 事業者任せ「把握せず」も 全国調査

毎日新聞2019年12月22日

「運営反対」などと書かれたのぼり旗が立ち並ぶ道を歩くグループホームの男性。「やっとたどり着いた場所なのに」と語った=横浜市都筑区で2019年11月17日、上東麻子撮影
 グループホーム(GH)などの障害者施設が住民の反対で建設できなくなったり、建設予定地の変更を余儀なくされたりしたケースが、過去5年間に少なくとも全国21都府県で計68件起きていたことが毎日新聞の調査で明らかになった。反対運動が起きても施設を運営する事業者に任せ、県や自治体などが対応しなかったケースが32件あった。障害者が地域の中で暮らせるよう厚生労働省はGHの整備を進めているが、誤解や偏見に基づくあつれきが各地で頻発している実態が浮かんだ。
 障害者施設の建設を巡る住民の反対運動の多くは人口が密集する都市部で起きていると考えられるため、47都道府県と、道府県庁所在地、政令市、中核市、東京23区の計106自治体に今年9月、2014年10月~19年9月の5年間に起きた反対運動などについて尋ねる調査票をメールで送付。全てから回答を得た。
 その結果、反対運動による障害者施設の建設中止や予定地の変更などは計68件起きていた。施設を種類別でみると、GHなど入居施設が52件で最多。就労や発達障害支援など通所施設が17件、放課後デイサービスなど障害児施設も8件あった。障害の種類別では、知的障害者や精神障害者の施設への反対が全体の7割を占めた。反対する理由を複数回答で尋ねると、障害者を危険視▽住環境の悪化▽説明が不十分――などが多かった。
 「(反対運動が)ない」と答えたのは71の道県と市区。一方、46の府県と市区が「把握していない」と回答しているため、実際には68件よりさらに多くの反対運動が起きているとみられる。
 16年に施行された障害者差別解消法は国や自治体に対し、障害者施設を認可する際は周辺住民の同意を求めず、住民の理解を得るため積極的に啓発活動するよう付帯決議で定めている。しかし、反対運動が起きた時に行政が関与すべきかどうか都道府県と市区に尋ねたところ、「仲介すべきだ」と「仲介する必要がない」がほぼ同数で拮抗(きっこう)した。
 障害者施設の反対運動に詳しい野村恭代(やすよ)・大阪市立大准教授(社会福祉学)は「反対運動は、障害者が地域で生活するうえで代表的な障壁の一つ。障害者の地域移行を進めるため、自治体は反対運動について住民の認識を変える機会と捉え、積極的に介入すべきだ」と話す。

障害者施設反対運動の件数
①大阪府  9件
②奈良県  8件
③東京都  7件
④新潟県  6件
④愛知県  6件
⑥神奈川県 5件
⑦千葉県  4件
⑧岐阜県  3件
⑧岡山県  3件
⑩静岡県  2件
⑩滋賀県  2件
⑩京都府  2件
⑩福岡県  2件
⑩熊本県  2件
⑮青森県  1件
⑮群馬県  1件
⑮福井県  1件
⑮三重県  1件
⑮兵庫県  1件
⑮佐賀県  1件
⑮大分県  1件

※2014年10月~19年9月の判明分

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