【東京】東京消防庁:救急隊、蘇生中止可能に 「自宅でみとり」要望増 来月16日から

毎日新聞  2019年11月28日

 東京消防庁は来月16日から、自宅でのみとりを望む終末期の患者が心肺停止になった場合、駆けつけた救急隊が心肺蘇生を中止できる新たな運用を始める。2月に諮問機関の提言を受け、具体的な運用方法などの検討を進めていた。
 同庁によると、家族らが119番したものの、現場で救急隊に「蘇生しないでほしい」と申し出るケースが目立っていた。昨夏の実態調査では、月11件同様のケースがあった。
 蘇生中止が可能になるのは、終末期医療を事前に家族や医師と話し合い、自宅でのみとりの意思を固めた成人の場合。かかりつけ医に連絡し患者の意思確認などをすれば中止が可能になる。これまでは家族に蘇生中止を頼まれても蘇生を続け、医療機関に搬送しなければならなかった。
 同庁は27日、渋谷区の消防技術安全所で新たな運用に関し、救急担当者研修を実施、約200人が参加した。森住敏光救急部長は「高齢化が進み多死社会を迎えている。傷病者や家族に寄り添い活動してほしい」とあいさつした。

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