職員の常勤換算認める、機能強化型訪問看護管理療養費 中医協・総会
キャリアブレインマネジメント 2019年11⽉21⽇
厚⽣労働省は20⽇の中央社会保険医療協議会・総会に、訪問看護の提供体制や利⽤者ニーズへの対応、関係機関等との連携について論点を⽰した。「機能強化型訪問看護管理療養費」を届け出ている機能強化型訪問看護ステーションで、理学療法⼠による訪問看護が⼀定数あり、医療ケアが必要な利⽤者の割合が低いことが課題に挙がった。また、常勤看護職員の確保が困難なため緩和することで⼀致した。
「訪問看護の提供体制」について、訪問看護ステーションの⼈員基準は常勤1⼈を含む看護職員2.5⼈以上だが、訪問看護ステーションの同⼀敷地内に居宅介護⽀援事業所があるなどを施設基準とする機能強化型訪問看護管理療養費の届出基準では、「常勤看護職員4、5もしくは7以上」。常勤看護職員の確保が困難なため、届け出を⾏っていないと回答したステーションが多く存在する⼀⽅、理学療法⼠等職員の割合が40%以上のステーションでは、職員1⼈当たりの重症者の受け⼊れ数やターミナルケアの実施数が少ないことが厚労省の調査で分かった。
利⽤者ごとの状況では、「理学療法⼠等による訪問看護を受けている割合が80%以上」が2割いた。「80%以上」の利⽤者は、末期悪性腫瘍や医療的処置が必要な利⽤者は少ない傾向だ。
これらの状況から、機能強化型訪問看護管理療養費の要件について、▽看護職員の割合を加える▽⼀部職員については常勤換算で満たせる-などの案が⽰された。
また、「訪問看護基本療養費」では、週3⽇⽬までと週4⽇⽬以降とで2段階の評価区分を設けている。週4⽇⽬以降の算定が可能なのは、定められた時間・回数を超えた訪問看護を保険適⽤の範囲内で例外的に⾏える「別表7・8」に該当する利⽤者や、特別訪問看護指⽰書の交付を受けた医療ニーズの⾼い利⽤者。
週4⽇⽬以降の訪問看護の状況では、理学療法⼠等による訪問看護が約8%あり、看護職員による訪問看護に⽐べて、医療的なケアが必要な状態にある利⽤者の割合が少なかった=資料=。
資料 厚労省作成
訪問看護は、医師による「訪問看護指⽰書」に基づいて「訪問看護計画書」を作成することとしているが、職種により提供内容が異なるにもかかわらず職種の記載欄がないため、明記することを提案した。
これらの案について委員から異論はなかったが、4⽇⽬以降の訪問看護は医師がその必要性を指⽰書に記載するなどの対応が必要(松本吉郎・⽇本医師会常任理事)などの意⾒があった。
「利⽤者ニーズへの対応」では、▽専⾨性の⾼い看護師による同⾏訪問の対象に、⽪膚障害以外の適切な看護ケアが必要な「ストーマ合併症」を含める▽在宅での特定⾏為で使⽤する医療材料の中には、特定保険医療材料として算定できないものが⼀部あるため、算定可能とする-などの案が⽰され、委員から反対の意⾒はなかった。
■関係機関等との連携を促す取り組みの要件⾒直しへ
2018年度診療報酬改定では、「機能強化型訪問看護管理療養費1・2」を届け出る機能強化型訪問看護ステーションの施設要件に、「特定相談⽀援事業所または障害児相談⽀援事業所が同⼀敷地内に設置されていること」などの要件を加えて、地域で⽣活する障害児・者の⽀援を促進するための⾒直しを⾏った。
また、「訪問看護情報提供療養費」を、市町村からの求めに応じて情報提供した場合の「訪問看護情報提供療養費1」へ改定し、医療的ケア児が⼊学・転学時に学校へ情報提供する「訪問看護情報提供療養費2」を新設した。
この情報提供について、関係機関との連携を推進するために、訪問看護情報提供療養費2については⼊学時等に限らず年1回算定可能とし、保育所および幼稚園も情報提供先に含める案が⽰された。
また、看護⼩規模多機能型居宅介護事業所(看多機)で宿泊サービスを利⽤している場合の訪問診療・訪問看護について、サービス利⽤前30⽇以内に患者の⾃宅を訪問し、「在宅患者訪問診療料」や「訪問看護基本療養費」を算定している場合に限り、看多機においても算定できることとなっている。そのため、退院直後は⼀度⾃宅に戻り、訪問診療や訪問看護を提供せざるを得ない事例があるため、算定の有無を問わずに退院後は算定可能とするなどの論点が挙げられた。
これらに対し異論はなかったが、松本委員は、看多機には看護師がいるので訪問看護の必要性には疑問があり、「訪問診療において算定可能としてはどうか」と述べた。⼀⽅、吉川久美⼦専⾨委員(⽇本看護協会常任理事)は、末期がんなど在宅を経由しないで看多機へ⾏く⼈もいるが、夜間の看護配置が必須ではないため、訪問看護の検討を求めた。
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