くらしの明日 私の社会保障論 アドバンス・ケア・プランニング=白十字訪問看護ステーション統括所長・秋山正子

毎日新聞2018年5月2日

本人の意思確認、重視
人生100年の時代がやってきた。よりよく生きて、穏やかな最期を、できれば自宅で迎えたいと望む人は76%に上ると、最近の厚生労働省の調査からも示された。だが現実は、病院死が76%、自宅死が13%と逆転している。厚労省は「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(指針)」を見直し、この4月から運用が始まっている。
これまでの指針は、病院死が多い現状を踏まえ、最終段階に入った時に、本人の意思決定とその尊重を基本とし、医師1人の判断ではなく、関わるチームの意見を聞き、本人の症状を緩和するケアも積極的に行うことが主だった。人工呼吸器を付けるのかどうか、気管切開はどうかなど救命の視点と、穏やかな最期をという視点に、どう折り合いをつけられるかだった。
それももちろん重要だけれど、今回の指針では、そこへ至るまでのケアを見直し本人の意思決定に係るプロセスを大事にしていこうという内容となっている。
それを具体化するのが、新たに盛り込まれた「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」の概念だ。「アドバンス」すなわち前もってケアに関して話し合い、計画を立てるということだ。本人だけで決めるものではなく、こうしてほしいという意思表示をしっかりする機会を設け、関わる人と十分なコミュニケーションをとる。1回きりではなく、変化していく事態に対しても何度も話し合うプロセス、本人の意思確認を大切にしようという内容を含んでいる。
先の調査では、ACPを知らないと答えた人が一般国民で76%と高く、医師でも42%、看護師でも43%に及んでいる。しかし、自分の意思に沿った医療・療養を、人生の最終段階で受けられるようにするためには、ACPが今後ますます重要になってくると考えられる。ACPに賛成は一般国民で65%、医師76%、看護師77%、介護職員80%という結果だった。
まずは元気なうちから、人生の最終段階やケアについて話し合う機会を持つことが大事と思われる。いざとなってからでは遅く、自分の意思を伝えられなくなったら、誰に意思決定を委ねるのか、自分の意思を推定してくれる人を決めておくことも重要となる。
いくら話し合っても、自分の地域に、そういった事態の時に支えてくれる医療・介護チームが存在しなければ、家族の負担が増えてしまうと考え、意思とは異なる場所で最期を迎えてしまうことも考えられる。地域体制を整えるために、住民が声を上げることも大切ではないか。専門家のみを頼るのではなく、自分の将来を、自分の人生の最終段階をどう過ごしたいのかをもっと自由に話しあえる地域になってもらいたい。

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