誤嚥防止と美味両立…近大病院開発 普及目指す

読売新聞  2019年10月14日

ハンバーグ 2度ミンチ/リゾット 米をおかゆに
 近畿大学病院(大阪狭山市)は、食べ物や唾液が誤って気管に入る誤嚥ごえんが起きにくい高齢者向けの独自メニューを開発し、院内食堂で提供を始めた。調理の際に一手間かけて軟らかくし、のみ込みやすくする一方、見た目や味にもこだわり、通常の食事と変わらないおいしさを追求した。今後、一般家庭への普及に努めていく。(梅本寛之)  誤嚥は、加齢とともにのみ込む力が弱る高齢者ほど起きやすく、その際に細菌が気管や肺に入って発症する誤嚥性肺炎の原因にもなる。高齢者がかかる肺炎の多くは誤嚥性ともいわれ、対策が課題となっている。  近大病院は2014年、医師や歯科医師、管理栄養士らでワーキンググループを結成し、口や舌の機能低下を防ぐ患者向けの嚥下えんげ訓練や、誤嚥予防を促す市民講座を実施してきた。  さらに、院内の外来食堂「アプリコット」と連携して今春から取り組んできたのが、のみ込みやすさとおいしさを両立させた独自メニューの開発だった。
 改良を重ねながら完成させたのは、肉料理やデザートなど7品目。「煮込みハンバーグ」は、肉を2度ミンチにして通常よりも軟らかくする一方、塩麹こうじを混ぜ込んでうまみを保持。「オムライス」は生クリームやブイヨンを入れることで、なめらかな食感に仕上げた。
 「トマトリゾット」は、おかゆから作ることで米の芯の硬さを解消。「かば焼き風丼」は、小骨が喉にひっかからないよう、ウナギを使わず、タラのすり身を蒸し焼きにし、かば焼きのタレをたっぷりつけた。
 デザートも充実させた。「自家製シフォンケーキ」はスポンジケーキにシロップを染みこませることで、「自家製プリン」は低温でじっくり蒸し焼きにすることで、いずれも、よりしっとりと、とろけるような食感を実現。豆乳で作ったゼリー「豆乳花」も添えた。
 病院での試食会で煮込みハンバーグなどを食べた入院中の男性(82)は「ただの嚥下食とは違い、見栄えがよく、味もしっかりついているので、食欲をそそられる」と笑顔をみせた。
 今後、独自メニューについてレシピの公開や講座の開催などを検討するという。誤嚥対策ワーキンググループ長を務める近畿大医学部呼吸器・アレルギー内科の岩永賢司准教授(54)は「自分の口でしっかりと食べることが生命維持の基本。人生100年時代に向け、メニューを多くの家庭に普及させたい」と話す。

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