オンライン診療、参入続々 LINEやJCOM、顧客基盤生かし展開

毎日新聞 2019年9月4日

 インターネットなどを通じて医師の診療を受けることができる「オンライン診療」に、情報技術(IT)や通信関連企業が相次いで参入している。近くに病院が少ない過疎地に加え、都市部でも在宅診療の需要が高まっていることが背景にあり、各社は自社の顧客基盤などを生かしたサービスの展開を目指している。
 無料通信アプリのLINEは1月、医療関係者の専用サイトを運営する「エムスリー」と共同出資し、「LINEヘルスケア」を設立。LINEアプリを使ったオンライン診療を年内に始める。LINEの月間利用者は8000万人に上る一方で、エムスリーも27万人の医師と16万人の薬剤師を会員に抱え、分厚い顧客基盤を生かして利用拡大を狙う。
 ケーブルテレビ(CATV)国内最大手のジュピターテレコム(JCOM)も8月、オンライン診療事業への参入を発表。テレビの画面を通じてオンライン診療を提供するサービスは国内で初めてといい、2021年度の商用化を目指す。JCOMの契約者は全国で約551万世帯。ヘルスケア事業への参入をきっかけに、医療データを活用したビジネスも展開したい意向だ。
 このほか、NTTドコモがオンライン診療のシステムを医療機関などに提供。1月には、和歌山県で第5世代(5G)移動通信システムを活用した実証実験を実施している。
 これまでのオンライン診療は、医師がいない過疎地に住む患者に医療サービスを提供することを目的に、医療機関が中心となって徐々に広がってきた。しかし近年は都市部で、ネットによる診療時間の予約システムの導入などで病院での待ち時間を短縮する動きが拡大するなど、各社は在宅でのオンライン診療の需要の高まりを見込んでいる。
 ただ、診療では患者の病歴など重要な個人情報がやり取りされるため、セキュリティーの強化などが課題となる。厚生労働省は18年に指針を作成し、情報漏えいの防止の必要性など基本的な考えを示した。同省担当者は「オンライン診療は医師不足などの課題の解決につながる。安全で適切な普及のためにルールを定期的に見直していきたい」と話している。
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 ■KeyWord
 ◇オンライン診療
 インターネットなどを通じて、患者が病院に行かなくても診療を受けられるサービス。情報通信技術の進展に伴って普及が進んでいる。
 例えば、自宅でパソコンやスマートフォンのビデオ通話などで医師に症状を伝え、医師が薬局に処方箋を送り、自宅に薬が届く。通院の負担が軽減されるなど、利便性が高まることが期待される。
 ただし、医師法では初回は対面での診療を求めており、オンライン診療は原則2回目から可能になる。新たな薬の処方も対面診療が必要とされるため、継続的な治療と投薬が必要な慢性疾患が主な対象となる。
 厚生労働省は18年に、安全で適切なオンライン診療の普及に向けた指針を策定した。

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