【山梨】介護従事し25年 街に「保健室」開設

山梨日日新聞 2019年7月19日

 甲府市の中心街、旧トポス跡地に建てられたデュオヒルズ甲府の1階に、「暮らしの保健室 晴ればれ」がある。
 訪問看護師の露木里恵さん(53)=甲府市中央4丁目=が、「お年寄りや子育て中の母親が、ふらっと寄って、ちょっとした相談ができる場所を」と、昨年12月に開設した。看護師やヘルパーなどスタッフへの相談は無料で、栄養面を考えたワンコイン(500円)ランチも好評だ。
 日川高校時代はハンドボール女子。1982年、インターハイで全国制覇した時のメンバーで、2年生だった。炎天下、土ぼこりにまみれた屋外での練習は、屈強のラグビー部員が尻込みするほどの激しさだった。
 鍛えられた体にも病魔は襲ってくる。結婚して1年、長男の誕生を心待ちにしていた臨月のある日、体の変調に気付く。出産を翌月に控えた診断は「急性白血病」、当時、妊娠中の症例は、世界でも10例しかないといわれた。
 「その日のことはいまも記憶が飛ぶほどの衝撃で、とにかく産みたい一心だった」
 30人近い医師団による帝王切開で長男は無事出産、ほっとしたら、思い描いていた育児ができなくなる不安に襲われた。「誰の呼び掛けにも答えず、布団をかぶって1日中、泣いていた」
 「そんな例はない」と医師から言われても、「闘病中も家で息子を育てたい」と説き伏せた。「家で点滴を受けながら、ミルクをあげた写真が残っている」
 その長男が幼稚園に入る頃には里親に登録、3人の兄姉を引き受けた。いまもその数は増え続けている。
 長男が「どこまでを家族というの?」と悩むくらい、患者を含めて大勢に囲まれた生活。朝起きて、寝るまで介護の暮らしは25年続いている。
 夫で耳鼻咽喉科医院を開く露木弘光医師(60)に「人に寄り添う看護は、ここまでできるのよ」と、訪問看護師の仕事を誇らしげに語る。
 白血病の中で生まれた光さん(18)は、大学で医師の道を目指している。

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