身元保証人なしでも入院できる体制整備へ

NHK 2019年3月30日
 高齢者などが、「身元保証人」を依頼できる親族がいないため医療機関から入院を拒まれるケースをなくそうと、厚生労働省の研究班は成年後見制度などを活用して保証人がいなくても受け入れができるよう体制を整備すべきだとするガイドラインの案をまとめました。 多くの医療機関では、緊急時の対応や医療費の滞納などに備えて「身元保証人」を求めていますが、高齢者などが保証人を依頼できる親族がいないため入院を拒まれるケースが出ています。 このため、専門家などで作る厚生労働省の研究班は医療機関を対象にしたガイドラインの案を今月、初めてまとめました。 その中では単身世帯の増加などを背景に「身元保証人」がいなくても受け入れができるよう体制を整備すべきだとしています。 具体的には病状悪化などの緊急時に備えてあらかじめ本人の意向を確認するとともに親族や友人、福祉関係者に本人の意向を伝え対応についても相談すべきだとしています。 また、認知症などで本人に判断能力がない場合は成年後見制度を活用して財産を管理する後見人に医療費の支払いを相談できるとしています。 研究班の代表をつとめる、山梨大学大学院の山縣然太朗教授は「慣習的に『身元保証人』を求める対応は時代にそぐわなくなっている。誰もが安心して医療が受けられる体制を整えてほしい」と話しています。 研究班では来月にもガイドラインをとりまとめることにしています。

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