ひきこもり高齢化 介護支援の高齢者家庭に同居のケースが多数

NHK 2019年3月21日
 ひきこもりの長期化や高齢化が問題になる中、介護などの支援を受けている高齢者の家庭で、同居している子どもがひきこもり状態になっている事例が数多く確認されていることが、ひきこもりの家族の会が行った調査でわかりました。専門家は、複数の行政機関や組織が連携してひきこもりの支援に当たる必要性を指摘しています。 調査の結果は、「KHJひきこもり家族会連合会」が21日、東京 千代田区で開いた集会で報告しました。 ひきこもりをめぐっては、80代の親が50代のひきこもりの子どもを支える、いわゆる「8050問題」など、高年齢化や長期化が大きな課題となっています。 集会では家族の会とともに調査を行った愛知教育大学の川北稔准教授が、高齢者の介護の相談や支援などを行う「地域包括支援センター」を対象に行った調査について報告しました。 それによると、有効な回答のあった260余りのセンターのうち6割近くが、相談を受けた高齢者の家庭に、ふだんは家にいてほとんど外出しない状態が半年以上続くひきこもりの子どもがいるケースがあったと回答したということです。 中には、ともに認知症の70代の両親と同居していた50代の未婚の娘がひきこもっていたケースなどがありました。 一方で、ひきこもりの子どもと面談できなかったり、親の支援が必要なくなったあと、関係が途絶えるケースもあったということです。 川北准教授は「高齢化したひきこもりの事例を見つけ、支援し、見守るには単一の機関では難しく、複数の機関が連携することが重要だ」と話しました。

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