オンライン資格確認、発行済み保険証は継続使用可能に 医療保険部会、DB連携は「成果報告重要」の意見

M3.com レポート 2018年12月7日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は12月6日の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)に、オンライン資格確認の検討状況と、医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議からの報告書、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議報告書について報告した。オンライン資格確認で現行では世帯単位で発行されている保険証に2桁の個人識別番号を付け加えて個人単位の被保険者番号とすることは5月の本部会で報告済みだが、発行済みの保険証は回収・再発行をすることなく使用可能とし、医療機関・薬局も2桁番号なしでレセプト請求できるようにする。

2018年12月6日社保審医療保険部会資料
厚労省が示したスケジュールは以下の通り。
 2020年秋頃~ 保険者で個人単位の2桁番号を付番、資格確認システムに登録
 2021年4月頃~ マイナンバーカードによるオンライン資格確認の開始
 4月頃~ 新規発行の保険証に2桁の番号を追加(全保険者)
 5月頃~ 保険証によるオンライン資格確認の開始
 10月頃~ 2桁の番号を付してレセプト請求を開始(9月診療分、10月請求分~)

 健康保険組合連合会副会長の佐野雅宏氏は、「保険者の事務負担が軽減される。評価したい」と歓迎した。全国町村会理事・宮城県蔵王町長の村上英人氏は「システム開発のスケジュールが厳しい。遅れが出て市町村にしわ寄せが来ないようにしてほしい」と要望。日本医師会副会長の松原謙二氏は「オンライン資格確認は非常に有意義で、なるべく早くしたかったし、するべきだった。保険証に例えばQRコードを付ければ簡単にデジタル化したデータを載せられる」と述べ、現在検討しているICチップによるよりも容易な方法として提案した。
 医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議報告書は、連結解析や第三者提供を可能とする旨の利用目的について、法令に明確に規定することや、民間主体を含めた幅広い主体による公益目的での利用を図るために、その枠組みを制度化することを求めている。連合副事務局長の南部美智代氏は「公益目的で第三者提供拡大とあるが、幅広い対象が想定され、また想定しなかったことも起きる。丁寧にやる必要がある」と指摘。法政大学経済学部教授の菅原琢磨氏は、社会に知見を広く共有することが大切だとして、「成果報告の在り方が大事だ」と述べた。
 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議報告書では、後期高齢者の保健事業について、市町村において介護保険の地域支援事業や国民健康保険の保健事業と一体的に実施することが盛り込まれている。村上氏は「現場は保健師が中心に担うと思うが、乳幼児、妊婦、成人、高齢者、障害者など多くの業務を抱えており、今回の取り組みを実施できる余裕がなかなかない」と述べ、人材確保のための予算措置を国に求めた。
 取り組みの一つにはデータヘルス計画があるが、全国後期高齢者医療広域連合協議会会長で佐賀県多久市長の横尾俊彦氏は「いろいろな説明をして納得していただくのが大事だが、データに自ら語らせるのが、一番説得力があり、自分の数値が分かったときに、行動変容が起こる。分かりやすく表示できるように、ビジュアルに示す配慮をして欲しい」と提案した。

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