【福岡】救急車が急行したら…玄関で着替え持つ女性待つ

読売新聞 2018年12月2日

 「診察が終わったから、救急車で自宅まで送って」「ベッドに上げて」――。福岡市消防局が、そんな安易な119番に頭を悩ませている。本当に救急車が必要な一刻を争うケースでの現場到着の遅れが懸念され、市消防局は救急車の適正な利用を呼びかけている。
 市消防局救急課によると、2017年の救急出動件数は7万7763件。このうち、手足のちょっとした傷など、安易な救急要請は3544件を占めた。日時を指定してタクシー代わりに呼ぼうとしたケースや、119番を受けて駆けつけると、入院用の着替えを入れたカバンを手にした高齢女性が玄関で待っていたこともあったという。
 通報を受けた段階で明らかに出動が不要と判断するケースもあるが、同課の柿本真一・救急係長は「電話では相手の症状が十分には分からず、緊急に対応が必要な事案を見逃さないためにも、基本的には駆け付けないわけにはいかない」と打ち明ける。
 市消防局は、救急車の出動要請が必要かどうかを電話で相談する県設置の共通ダイヤル「#7119」の利用を呼びかけている。ただ、導入した16年6月から2年間で市内からの利用は約3万7000件あったが、安易な要請の減少にはつながっていないのが現状だ。
 福岡市では、119番の受理から救急車が到着するまでの平均所要時間は6分56秒。全国平均の8分30秒(2016年)よりは短いが、この10年で出動件数が約2万件増え、50秒延びた。さらに安易な通報による出動が加わると、本当に搬送が必要な通報があった場合、離れた庁舎から救急車を向かわせなければならなくなり、さらに到着まで時間がかかるという。
 増加する救急要請に対応するため、市消防局はこの10年で新たに四つの救急隊を増やしたが、人口増と高齢化で救急要請は今後も増加すると見込んでいる。同課は「緊急時にはためらわずに119番を」とした上で、「不急の場合は、タクシーや公共交通機関を利用してほしい」と呼びかけている。

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