外国人労働者 介護分野、期待と不安 入管法改正案提出へ

毎日新聞2018年10月22日

 人形を使ってオムツ交換の練習をする外国人留学生=群馬県渋川市渋川の「群馬パース大学福祉専門学校」で、2018年10月17日、杉直樹撮影
臨時国会に 養成校「需要増える」と「留学生が減る」も
 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正案が24日召集の臨時国会に提出される。人手不足が深刻な分野を対象とした在留資格の新設が柱で、介護分野も候補の一つだ。外国人留学生が増えている介護福祉士の養成校は需要の高まりに期待する一方、介護福祉士の国家資格を取得しなくても一定期間の在留が認められる可能性があり「留学生が減るのではないか」との不安も広がっている。
 「ぬいでも(脱がせても)ダイジョウブですか」「オムツをみせてくださいね」
 インドネシアやスリランカなどからの留学生たちが、ベッド上のパジャマ姿の人形に優しく話しかける。群馬県渋川市にある介護福祉士養成校「群馬パース大学福祉専門学校」。現在、全学生の約4割が留学生だ。
 スリランカ人のランギ・ワットサラさん(28)は今年4月に入学した。母国に介護施設はほとんどないが、将来的に日本のように高齢化が進めば介護需要が高まるかもしれない。「介護福祉士の資格を取るための勉強をすると高い技術がいっぱい学べるし『介護』の在留資格を取ることができて日本に長くいられるようになる。将来は国に戻って施設を作りたい」と夢を語る。

 公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」(介養協)によると、介護福祉士養成課程のある専門学校や短大、大学などは全国で約360。それらに入学した留学生は2014年度は全国で17人だったのが、18年度は約70倍の1142人と全入学者の6分の1を占めるようになった。昨年9月に「介護」の在留資格が導入され、留学生が専門学校などで2年以上学んで介護福祉士の資格を取得すれば日本で働けるようになったという事情がある。
 今回、政府が新設を目指す在留資格は一定の知識・経験を要する業務に就く「特定技能1号」(最長5年)▽熟練した技能が必要な業務に就く「特定技能2号」(在留期間の更新可能)--の二つだ。「不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」が対象で、十数の分野での導入が検討されており、選定には業種別の有効求人倍率なども考慮されるとみられる。
 介護サービスの有効求人倍率(今年8月)は4.07倍で、全職種の1.46倍を大きく上回る。
 政府は新資格付与の要件として、所管省庁が定める技能水準や日本語能力を確認する試験への合格などを求める方針だ。介護分野が対象となった場合、介護福祉士の国家資格がなくても、所管省庁の試験に合格すれば「1号」の在留資格を得ることができるとみられ、技能実習生として介護現場で3年間経験を積んでいれば無試験で1号に移行することも可能だ。
 法務省は新制度の骨子を明らかにしたものの、分野ごとの試験内容など決まっていないことも多い。
 介養協の山口保常務理事は「養成校を目指す留学生が減るかもしれない」と不安も口にする。介護の現場で働くうちに資格取得を目指そうと考える外国人が増える可能性はあるが「正直、どのような影響が出てくるか見通せない」と話し、新制度の行方を注視している。

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