ALS:治療に光 パーキンソン病薬、iPS細胞で効果確認 慶大

2018年10月15日 (月)配信 毎日新聞社

 全身の筋力が徐々に低下する難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の治療薬として、パーキンソン病で用いられている錠剤「レキップ」(ロピニロール塩酸塩)が使える可能性が高いと、慶応大の岡野栄之(ひでゆき)教授(生理学)が13日、東京都内の医療シンポジウムで明らかにした。患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、効果を確認したという。

 ALSは、脊髄(せきずい)にある運動神経の細胞が少しずつ死んで起き、進行すると呼吸も難しくなる。国内の患者は約1万人とされるが、根本的な治療薬はない。

 岡野教授らは、1人の患者由来のiPS細胞から運動神経細胞を作製し、ALSの病態を再現。既存薬を含め、治療に使えそうな1232種の化合物を加えたところ、レキップに細胞死を抑える効果が認められた。さらに別の患者22人の細胞でもレキップを試すと、16人の細胞で同様の結果が得られた。【荒木涼子】

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