【岩手】広がる「認知症カフェ」…倍増102か所

読売新聞 2018年10月2日

「患者の参加課題」
 認知症の人やその家族らがくつろいだ環境で悩みを話し合ったり、情報交換したりする「認知症カフェ」の取り組みが県内でも広がっている。県によると、今年6月現在で102か所と、前年同期から倍増した。県内の認知症高齢者は4万7124人(2017年度末)で、25年には約5万2000人になると推定されている。県はカフェ運営に携わる人材の育成支援を続ける考えだ。
 「妻に認知症の疑いがある。嫌がる本人を病院に連れていくにはどうすればいいか」「認知症になると、妄想や幻覚は必ず出るのか」――。9月10日、盛岡市で開かれた認知症カフェ「ひまわりの会」。33人の参加者らは、招かれた講師に熱心に質問していた。
 盛岡市で同居する認知症の母(85)を介護している女性(49)は約1年前からこの集いに通う。「心のもやもやを聞いてもらえ、肩の荷を少し下ろせます」

 母は約6年前から、家の玄関前に配達された牛乳の受け取りや、病院に通う日を忘れることが目立つようになった。着替えているうちに外出する用事を忘れ、家でテレビを見ていることも度々ある。「もう死ぬからどうでもいい」と口走ることも。女性は「頑張って介護するのがむなしくなるし、同じ空間にずっといるのも苦しい。そんな気持ちを打ち明けて、安心して泣ける場所がここなんです」と話す。
 会の開催は月2回で、参加費は1回200円。代表の久喜美知子さん(70)は「介護家族は孤独になりがち」だとして、情報交換や疲れた心を休める場所の大切さを強調する。「家族だけでなく、介護に関心のある地域の人も気軽に足を運んでほしい」と話す。
 県長寿社会課によると、県内では6月1日現在、25市町村102か所で認知症カフェが行われており、昨年同期(20市町村50か所)から倍増した。県は、設置に関心のある人や自治体職員を対象に運営ノウハウを学んでもらう研修会を15年度から開いており、同課は「カフェの存在が知られてきたのではないか」と推測する。
 市町村別では盛岡市が15か所と最多。奥州市では16年度、市内の社会福祉法人の協力を得て、従来の1か所から12か所へ一気に拡大した。17年度の参加者は延べ約2300人。市の担当者は「お年寄りの参加が多いので、歩いて行きやすい近所にあることが大切。まだ認知症本人の参加が少ないのが課題」と話した。

認知症カフェ
 認知症の人や家族、地域住民らが集う交流の場。主に自治体や介護事業者が設置・運営している。国は2020年度末までに、全国の市区町村での開設を目指している。厚生労働省によると、16年度の設置数は全国で4267か所。

「ポチッ」して頂けると励みになります♡

仲間募集中

業務拡大につき、看護師、理学療法士、作業療法士、事務職+保育士・歯科衛生士・栄養士・管理栄養士さんを募集中。
週1回1時間から働ける柔軟で明るい職場で、子育てママや社会人学生も在籍。
すぐに考えていないけれど、少しでも御関心があれば、とりあえず雑談させて下さいませ。

コメントを残す