地域別診療報酬、高確法の13条と14条は「別個のもの」 日医・中川副会長

(MF)

 日本医師会の中川俊男副会長は15日、奈良県医師会主催の「地域別診療報酬講演会」で、高齢者の医療の確保に関する法律(高確法)13条と14条について「一部の方は、13条で都道府県が厚生労働相に診療報酬に係る意見を提出し、14条で厚労相がそれを認定するものと解釈されている向きがある。しかし13条と14条は一連のものではなく別個のものだ。13条は全国一律の診療報酬に対して、都道府県から意見を提出することができることを書いているだけだ」と強調した。
 高確法の13条は「診療報酬に係る意見の提出等」、14条は「診療報酬の特例」を定めている。中川副会長は、13条について「都道府県が全国一律の診療報酬について意見を述べ、厚労相がこれに配慮して診療報酬を定めるように努めるべきことを定めている。厚労相は『努めなければならない』なので、努力義務だ」と説明。また14条により、都道府県別の診療報酬を定めることができるものの「(これは)地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められた範囲内に限られる。この点は非常に重要である」と指摘した。
 13条と14条が一連のものではないと考える材料として、2006年の参院厚生労働委員会における厚生労働省保険局長の答弁も示した。
 中川副会長は、14条を適用する上でのプロセスにも言及。都道府県が起点となって厚労相が認定するのではなく、厚労相が全国の医療費適正化計画の状況を見渡し、医療の効率的な提供の推進に関する目標達成のために必要な都道府県に対し、都道府県と協議した上で適用を判断するものだと強調した。また厚労相が都道府県の意見を踏まえ、中医協の諮問・答申を経る必要があると説明。中医協では日医の役員3人が委員を務めており、14条を適用する上で中医協が高いハードルになるとの見方を示した。
 医師会が保険者協議会に構成員として参画する重要性も強調した。「厚労相が14条の必要性を判断する際にも、都道府県が保険者協議会の議論を踏まえることが求められている。保険者協議会の議論が(14条に書かれている)『地域の実情を踏まえた』ものとなるよう、医師会が地域医療を担う代表者として、積極的に議論に参加することが強く望まれる」と訴えた。

●「憲法14条違反」の可能性も
 一方、弁護士の荒木秀夫氏(奈良総合法律事務所)は、地域別診療報酬と憲法14条「法の下の平等」の関係について、最高裁の判例を引用しながら「(違憲かどうかは)合理的な根拠に基づくものということができるかどうかによって判断すべき」と説明。奈良県の1人当たりの医療費が他の都道府県より高いわけではないことなどを示した上で「同県に地域別診療報酬を適用することは『合理的な差別』とは言えず、憲法14条に反するのではないか」との見解を示した。

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