【福岡】医療的ケア児:対応学ぶ 産業医大、小児在宅支援へ講習会

毎日新聞  2018年8月30日

 ◇状態の変化が早い、連携が重要/薬のコントロール、成人と違う
 人工呼吸器やたん吸引などを日常的に必要とする「医療的ケア児」とその家族を、地域で支える取り組みが進みつつある。産業医科大病院(八幡西区)が、訪問診療・看護を担う開業医や看護師らを対象に「小児在宅医療講習会」を開催。成人とは異なる小児の医学的特徴や緊急時の対応など知識や技術を伝え、連携を呼びかけた。
 講習会は小児科の荒木俊介・総合周産期母子医療センターNICU室長が企画。7月13、27日の2回開かれ、北九州市西部と近郊の訪問看護師や薬剤師、社会福祉士、行政関係者ら延べ約160人が参加した。
 医療的ケア児とは、胃ろうによる栄養注入など医療機器や医療ケアがないと生きていけない重症心身障害児。県と九州大病院の昨年度の調査によると、県内の18歳未満の主な医療的ケア児は409人(福岡169▽筑後76▽筑豊33▽北九州131)。24時間介助者が必要で目が離せない場合が多く、生まれた病院を出た後に自宅で世話をする保護者らの負担は大きい。近年はかかりつけ医の指示により看護師らが患者の家庭を訪問して介護する訪問看護ステーションの利用も増えているが、成人を診る地域の内科医や訪問看護師らにとって、高度の医療ケアも含め小児を診る経験不足が小児在宅医療へ踏み出す際の高いハードルになっている。
 講習会では、産業医大病院の小児科医らが熱発やけいれんへの対応、先天性心疾患、小児悪性腫瘍疾患を持つ子どもの在宅医療について注意点を説明した。参加者は「なぜ小児在宅に及び腰になるのか」「小児在宅に参入しやすくなる地域連携とは」のテーマで意見交換。「小児は状態の変化が早い」「相談できる医師と連携がとれない」などの不安や、「子どもは成長するので医療器具のデッドストックが多い」などの声が上がった。
 参加した若松区医師会訪問看護ステーションの看護師、児玉美香代さんは「小児は薬のコントロールも成人とは違う注意が必要。自信を持ってケアに当たりたくて、これまでは熊本へ勉強に行っていた。定期的にこのような講習会があれば」。荒木室長は「予想を超える参加者数に驚いた。ネットワークを構築し、患者家族が居住地で気軽に相談でき、生き方を選択できる環境を整えていけたら」と話した。

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