生活保護 障害者世帯10年で1.5倍 全利用者の18%占める

しんぶん赤旗 2018/7/8

 心身の障害のために働くことができずに生活保護を利用する障害者が増えています。障害者の生活保護世帯は10年間で1・5倍に増加し、生活保護を利用する障害者は約38万5千人(2015年度)で、全利用者の18%を占めています。厚生労働省の調査をもとに、障害者の生活保護利用の現状を探りました。
 毎月発表される被保護者調査によると、今年4月、世帯主が心身の障害のために働けず生活保護を利用した「障害者世帯」は、前年同月より4545世帯多い19万5765世帯でした。
 そこで、生活保護を利用する「障害者世帯」の推移をみるため、各年度の月平均の利用世帯数を算出したところ、一貫して増えていました。(グラフ)
 生活保護を利用する「障害者世帯」は、2004年度に10万世帯を突破し、07~17年度の10年間で1・5倍近く増え、20万世帯に迫る勢いです。
 注意が必要なのは、生活保護を利用する障害者は、「障害者世帯」以外の世帯にもいるという点です。
 表は、15年度被保護者調査(個別調査)をもとに、生活保護世帯の障害者数をまとめたものです。「障害者世帯」だけではなく、「高齢者世帯」や「母子世帯」などほかの世帯にも障害者がいることが分かります。
 生活保護を利用する全世帯の障害者数は、調査した15年7月31日現在で38万4998人。全利用者(212万7841人)の18・1%を占めていました。
 生活保護世帯の世帯主の5人に1人が障害者でした。
 日本の障害者福祉は、長年、家族による介護を前提にしてきました。そのため、多くの世帯が「介護のために共働きができない」「フルタイムで働けない」などの制約を受け、低い所得水準をよぎなくされています。
 障害年金受給者を対象にした厚労省調査(14年12月)によると、世帯の平均年収は「100万円未満」が24・8%で最も多く、約半数が「200万円未満」でした。
 障害年金の受給世帯でこのような状況です。ましてや、受給できていない世帯では、さらに厳しい状況にあるといえるでしょう。

障害年金制度の改善・充実など所得保障の充実は急務
 障害者の生活保護利用が増えている背景には、歴代政権による社会保障給付の抑制・削減路線があります。とくに、安倍政権のもとでの公的年金給付の連続削減は、もともと低所得水準にある障害者世帯の家計を直撃し、生活悪化に拍車をかけています。
 日本共産党は、年金削減政策を中止し、低額年金を底上げして「減らない年金、頼れる年金」への転換をめざしています。最低保障年金の実現で、無年金・低額年金問題の根本的解決をめざすとしています。
 障害年金について、所得保障にふさわしく、支給額、認定基準、認定システムを抜本的に改善することを提案。無年金障害者への特別障害給付金制度の周知徹底と支給対象の拡大も求めています。
 障害者の働く場の保障も重視し、福祉的就労にも最低賃金を保障するとともに、一般雇用でも最低賃金法の「減額特例」(障害者を適用除外にする規定)の廃止、民間企業の法定雇用率の厳守の徹底と引き上げなどをはかるとしています。

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