「訪問看護師倍増対策」の検討提案などに注力 日看協、18年度重点政策・事業
記者会見する福井トシ子会長
日本看護協会(日看協)は26日の記者会見で、2018年度の重点政策・事業を公表した。訪問看護師を従来の倍に増やすための対策の検討を国に提案するほか、在宅などでの看護業務の効率化に関するデータの収集などを行う方針だ。
地域包括ケアシステムの推進に伴い、在宅などでの看護人材の確保や育成、質の向上が課題となっていることから、日看協では18年度の重点政策・事業として、「訪問看護師倍増対策」などに注力する。
具体的には、協会内に特別委員会を設置して、訪問看護への新規参入の拡充や制度的な誘導策などを検討し、結果を国に提案して検討を求めていく。また、人材拡充のための先進的な事例集や入門プログラムの研修支援コンテンツを作成し、都道府県や関係団体の人材拡充策を支援。「都道府県看護協会訪問看護担当者会議」も開催する。
さらに、日看協は関係学会や会議などを通じた訪問看護出向事業の周知も図る。この事業は、病院の看護師が自院に在籍したまま一定期間、地域の訪問看護ステーションに出向し、訪問看護に従事しながら在宅療養支援能力などの向上を図る取り組みで、日看協ではこの事業の手引きとしてのガイドラインを、4月に公表していた。
在宅医療・訪問看護関連の業務を担当する荒木暁子常任理事は会見で、「訪問看護師倍増対策については、7月ごろから(特別)委員会が開催される。病院からの参入や看護管理者の育成などと併せて、どのように訪問看護師を増やすかについて対策を検討していく」と述べた。さらに、18年度末までに特別委員会の取りまとめを行う方針も示した。
■新たな認定看護師制度、「スムーズに移行できるよう支援」―福井会長
複数の疾患を抱える高齢者の増加や医療提供の在宅移行など、1995年の認定看護師制度の開始時から医療情勢が変化していることを踏まえ、日看協は現行制度を再構築し、病院内での看護活動に軸足を置いた新たな制度を2020年度にスタートさせる方針だ。
会見で福井トシ子会長は、認定看護師制度の再構築に触れ、「現在活躍しているすべての認定看護師がスムーズに新しい制度に移行できるよう、一層活躍していただくために、最大限の支援をしていく」と強調した。
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