低報酬介護 利用1割 軽度者対象、参入乏しく

毎日新聞2018年6月20日

軽度者向け訪問・通所介護を巡る動き 低報酬介護の利用率別の自治体の割合
 介護保険制度の訪問・通所介護で、介護の必要度が最も軽い要支援1、2(軽度者)に対し、市町村が実施する新方式の利用率が、政令市など主要140自治体で約1割にとどまることが毎日新聞の全国調査で明らかになった。報酬が低いため事業者参入が乏しく、人材育成も進まず、体制が未整備だ。厚生労働省は「助け合う地域作り」のため新方式を始めたが、財務省は費用を抑え、介護の人材不足に備えるため、訪問・通所介護を使う全軽度者(約102万人)を新方式に移し、より重度の要介護1、2(約135万人)も移すことを来年度末までに決める案を5月にまとめた。受け皿のない移行は見直しが求められる。
 政令市、東京23区、中核市など主要140自治体に今年2、3月、電話で調査した。新方式の訪問、通所介護の直近1カ月あたりの利用者数を聞き、新方式に取り組む直前の利用者数で割り「利用率」とした。
 その結果、訪問介護(有効回答の97自治体)の利用率は平均13.8%。通所介護(同77自治体)は平均11.2%。訪問・通所介護全体で新方式前の利用者計約40万人に対し、新方式の利用者は約3万7000人。従来に比べ報酬は8割に至らず、事業者は1~3割しか参入していない。大手は新方式から撤退、中小も受け入れを制限する例があった。利用者の大半は従来報酬の介護を継続して受けている。
 新方式の低報酬介護は、2025年に約33万人と見込まれる介護の担い手不足に備え、地域での「自助・共助」の助け合いに期待して、厚生労働省が主導し主な自治体が15年度から順次導入している。訪問介護では、簡単な研修を受けた高齢者ら地域住民が掃除や調理、買い物などの「生活援助」を担う。だが名古屋市など26自治体の追跡調査では研修修了者は平均23.4%しか担い手に回っていない。期待された元気な高齢者も、労働意欲は低調だ。
 専門職のヘルパーではない地域住民が介護する想定で利用者にはリスクがあり、介護事業者は採算が合わない。利用側、提供側とも二の足を踏んでいる。だが、人手不足による介護保険制度の行き詰まりを懸念する財務省主計局は「利用率1割は確かに少ないが、(低報酬介護に)一斉に移行させる」と市町村に求めている。【斎藤義彦、稲田佳代】

抜本的な見直し必要
 介護保険に詳しい結城康博・淑徳大教授の話 調査で低報酬設定の制度の停滞は明白で、現状は失敗だ。要介護1、2の生活援助などをこの制度に移す財務省の主張はほぼ無理。抜本的な見直しが必要だ。

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