介護保険料を適切に納めていない「現役並み所得」者、介護保険は4割負担に―厚労省
MedWatch 2018年5月15日
介護保険料を適切に納めていない場合、介護保険の自己負担割合が通常の1割から3割に引き上げられる。今年(2018年)8月から、現役並みの高い所得がある人については、自己負担割合が2割から3割に引き上げられることを踏まえ、介護保険料を適切に納めていない場合の自己負担を「4割」に引き上げる―。
厚生労働省は5月14日に事務連絡「給付額減額措置の見直しに伴う被保険者証及び負担割合証の様式の変更について」を行い、こうした点を再確認するとともに、被保険者証等の様式変更について周知しています。
現役並み所得者の通常の自己負担が3割となることを踏まえ、給付減額措置も見直し
昨年(2017年)に介護保険法が改正されました。(1)地域包括ケアシステムの深化・推進(2)介護保険制度の持続可能性の確保―という2つの大きな柱が立てられ、前者の(1)地域包括ケアシステムに関しては、▼自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進(インセンティブ交付金の新設や、PDCAサイクルの確保など)▼医療・介護・住まいの3機能を併せ持つ介護医療院の新設―などが、後者の(2)持続可能性確保に関しては、▼現役並み所得者の自己負担を従前の2割から3割に引き上げる▼介護納付金における総報酬割の段階的導入―などが行われます(関連記事はこちらとこちら)。
改正案の概要
このうち現役並み所得者(合計所得金額が220万円以上)の自己負担割合引き上げは、今年(2018年)8月から導入されます。
高所得者の介護サービス利用者負担を、来年(2018年)8月から3割に引き上げるが、実際に負担額が引き上げられる人はごくごく限られる
このため、8月から、介護保険の自己負担割合は次のように3段階になります。
▽通常(下記以外):1割
▽合計所得金額160万円以上で、「年金収入+その他合計所得金額が280万円以上」(単身世帯)または「年金収入+その他合計所得金額が346万円以上」(夫婦世帯):2割
▽合計所得金額が220万円以上で、「年金収入+その他合計所得金額が340万円以上」(単身世帯)または「年金収入+その他合計所得金額が463万円以上」(夫婦世帯):3割
ところで、介護保険料を滞納し、保険者(市町村)による徴収権が時効消滅した期間がある人では、消滅時効の期間に応じて自己負担割合が3割に引き上げられます(給付額減額措置)。きちんと保険料を納めた人とそうでない人との「公平性」を確保するとともに、介護保険財政の安定運営を図ることが目的です。
この点、今年(2018年)8月から通常の自己負担割合が3割となる人が現れるため、給付額減額措置についても見直しが行われ、「現役並みの所得を有する者」については、保険料を適切に納めていない場合の自己負担割合が「4割」となります。
今般の事務連絡では、この旨を再確認。さらに、介護サービス事業所や介護保険施設で、「この利用者の自己負担割合はどうなっているのか」を適切に確認できるよう、被保険者証・負担割合証の様式改訂を示しています。
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