退院・退所時カンファへ福祉⽤具専⾨相談員の参画を 社保審・介護給付費分科会
キャリアブレインマネジメント 2020年10⽉20⽇
社会保障審議会・介護給付費分科会は15⽇、退院・退所時のカンファレンスへ福祉⽤具専⾨相談員の参画を促すための⽅策について検討した。厚⽣労働省は、2021年度介護報酬改定で居宅介護⽀援の「退院・退所加算」や施設サービスの「退所前連携加算」の算定要件に、関係職種の関与を明⽰することを提案した。
厚労省が同⽇⽰したデータ(14年度の⽼健事業による調査結果)によると、医療機関や⽼⼈保健施設が実施する退院・退所時のカンファレンスでは、福祉事業者が「10割」参加している施設もあれば、「2割未満」の施設も⼀定割合あるなど、ばらつきが多い。
⼀⽅で、「⼊所中から退所後の⽣活を想定した福祉⽤具を選定、適合し、退所後もその利⽤を継続することを軸に施設と居宅の専⾨職が連携する」仕組みについては、医療機関と⽼⼈保健施設の共に93.5%が有効性を認識していた=資料=。
厚労省の資料より
そこで厚労省は、退院・退所者をスムーズに福祉⽤具貸与の利⽤につなげるための⽅策として、居宅介護⽀援の「退院・退所加算」や介護⽼⼈保健施設などの施設サービスが算定できる「退所前連携加算」の要件に福祉⽤具専⾨相談員や作業療法⼠などの関与を明⽰することを提案し、検討を促した。
委員からは、福祉⽤具専⾨相談員らの関与を推進していく⽅向性について反対する意⾒は出なかった。ただし、濱⽥和則委員(⽇本介護⽀援専⾨員協会副会⻑)は、福祉⽤具専⾨相談員のカンファレンス等への参加を「望ましい」とした⼀⽅で、加算の要件として明⽰することについては反対した。退院・退所時の対応にはスピードが求められることなどから、医療機関からの連絡などが難しいケースがあることなどがその理由という。「加算が算定できないということではなく、何かポジティブに出席や連携が進むような形」を検討するよう求めた。
また、福祉⽤具に関連して、鎌⽥松代委員(認知症の⼈と家族の会理事)は、財務省が7⽇に公表した「令和2年度予算執⾏調査の調査結果の概要」で、「年間で同じ内容のケアプランが⼀定程度(約4⼈に1⼈)存在」することや「福祉⽤具貸与のみのケアプランが全体の6.1%を占め、このうち、1年間同じ内容の ケアプランを要介護度別にみると、軽度者である要⽀援1・2が4分の3を占めた」ことから、「歩⾏補助杖など廉価な福祉⽤具については、保険給付による貸与から販売に変えることで毎⽉のケアプラン作成等のケアマネジメントの費⽤は不要となる」と報告をしていたことについて=資料=、意⾒を表明した。ケアプランが同じ内容であることは、「ケアマネジャーや福祉⽤具の担当者の質の問題」と考えられるもので、利⽤者に負担を求めるべきではないというもの。
財務省「令和2年度予算執⾏調査の調査結果の概要」より
これに対して濱⽥委員は、介護保険の給付対象となるサービスとしては、福祉⽤具の貸与のみを位置付ける“単品プラン”があっても、「例えば居宅サービス計画書の第2表では複数のニーズがあって、それぞれに何らかの⽀援、対応が⾏われているというケースが少なからずある」と説明。ケアプラン上に保険給付対象のサービスが位置付けられる裏には、ケアマネジャーらによる総合的・複合的な対応や判断がされている場合もあることについて理解を求めた。
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