米FDA 乳がん治療薬・Phesgoを承認 在宅での治療が可能に
ミクスオンライン 2020/07/15
米食品医薬品局(FDA)は6月29日、米・ジェネンテック社(スイス・ロシュグループ)のHER2(ヒト上皮成長因子受容体2)陽性乳がん治療薬Phesgo(ペルツズマブ/トラスツズマブ/ヒアルロダニーゼ‐zzxf配合剤)皮下注射剤を承認した。適応は、成人における他臓器に転移したHER2陽性乳がんおよび早期HER2陽性乳がん。
同剤は、化学療法剤と併用で投与を開始し、化学療法剤レジメンが終了後、医療従事者の指導の下、服薬により在宅で治療を継続することが可能となる。同剤は、ペルツズマブ、トラスツズマブおよびヒアルロダニーゼの定用量配合剤で、有効成分は、それぞれFDA承認済みのペルツズマブ静注およびトラスツズマブ静注と同一である。ヒアルロダニーゼは、ヒアルロン酸分解酵素で、薬剤の有効成分の体内分布を容易にする役割を果たす。
同剤の処方情報には、医療関係者および患者向けに、重篤な有害事象として、心不全のリスク、胎児への悪影響および肺毒性などが枠組み警告に記載されている。よく見られる副作用としては、脱毛、悪心、下痢、貧血、無力症など。また、同剤は、化学療法由来の好中球減少症を悪化させる可能性がある。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍研究拠点長および腫瘍部長代理は、「現在、HER2陽性乳がん患者のほとんどは、点滴センターでペルツズマブ、トラスツズマブの注射を受けている。今回の新投与経路製剤ができたことで、Phesgoは両成分の注射を受けるために1つの外来オプションを提供することになる」と述べた。そのうえで、COVID-19パンデミック下でがん患者が感染しやすい立場にあることに言及。「このような重大な時期にも我々は抗がん剤開発を促進させている。今回の承認はFDAの目標日よりも約4か月前倒しになった」と話した。
ジェネンテック社のLevi Garraway最高医学責任者(CMO)兼グローバル製品開発部長は、「FDAによるPhesgoの承認は、HER2陽性乳がんとともに生きる多数の患者のアウトカムを改善するための我々の取り組みを反映するものだ」と述べたうえで、「Phesgoは、個々の患者のニーズや嗜好に応じた服用方法を提供することが出来る。また、医療制度における、より早く対応しかつ柔軟な治療オプションへの需要の増加に応えることに役立つものだ」とコメントした。
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