【東京】新型コロナ>訪問介護 ヘルパー危機感 防護用品確保難しく、感染不安

東京新聞 2020年4月26日

 新型コロナウイルスの感染拡大で、高齢者や障害者の訪問介護を担うヘルパーたちに強い危機感が広がっている。感染防護用品の確保が厳しくなり、事業所では代替品を集めたり、自作したりと対応に苦慮。訪問する際も「感染しないか、逆に感染させてしまわないか」と不安を抱えながら、高齢者らの暮らしを支えている。 
 「ノロウイルス対策用に準備していたポリエステル製の防護服が尽きた。今の防護用品は、使い捨てのビニール製エプロンに、アームカバー、スリッパを覆う靴カバーと手袋。消毒液を入れたプッシュ式の小瓶を事業所で用意している」
 東京都西東京市のNPO法人サポートハウス年輪。サービス提供責任者の河内匡美(まさみ)さん(43)が訪問時の装備を説明する。このほかの防護用品も枯渇気味。ヘアキャップはなくなり三角巾で髪を覆う。使い捨てマスクは底をつきそうで、手製の布マスクも使う。
 十二人のヘルパーは一日に二~五軒程度を訪問する。訪問先では、まず手指を念入りに消毒し、部屋の窓を開けて換気する。身体介護、掃除、調理など作業が一つ終わるたびに手袋を交換する。利用者との会話は「二メートル離れて」が原則。耳が遠い人も多く、紙に書いて伝えることもある。
 利用者と同行する買い物支援も休止し、ヘルパーが一人で行く。しかしスーパーはどこも混雑し、レジ待ちも長い。「ここで感染したら」と不安だという。
 利用者の状態に影響も出ている。要介護1の八十代の女性は外に出歩く機会を失い、足腰が不安定になった。デイサービスの休止などで人と話す機会が減り、認知症が進んだとみられる人も目立つそうだ。
 河内さんは「利用者が感染して自宅待機の場合、どんな対策をして訪問するのか、国の具体的な指示がほしい」とも話す。
 「事業所や利用者に感染者が出た場合、地域の訪問介護が崩壊しかねない」。埼玉県新座市のNPO法人「暮らしネット・えん」の代表理事、小島美里さん(68)は危惧。「一人暮らしの認知症の人など訪問介護が絶対に必要な利用者を、事業所の枠を超えて地域でカバーする体制をつくらなければ」と指摘する。

◆休めない事業所「最後のとりで」
 厚生労働省の調査によると、デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期宿泊)の全国八百五十八の介護事業所が感染防止などで休業している。訪問介護は、利用者の食事や排せつなど「日常生活を維持する最後のとりで」(小島さん)だけに、多くが介護を続けているとみられる。
 ただ、東京都武蔵野市が要介護度の軽い「要支援」認定の高齢者向けの訪問サービスを中止するなど、掃除などの生活支援をやめたり回数を減らしたりする動きは出ている。その場合、家族が担うか、介護事業以外のサービスを自費で頼むことになる。
 こうした中、サポートハウス年輪などの東京都や埼玉県の四つのNPO法人などが今月十日、ヘルパー向けの感染予防マニュアル作成や、防護用品の優先支給など支援を求める要望書を厚労省などに出した。

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