要介護認定調査、ケアマネ以外の研修受けた各種医療・福祉職種も実施可能に―厚労省

Gemmed 2020.2.6.
 要介護認定を行う調査員について、今年(2020年)4月から、新たに「保健、医療または福祉に関する専門的知識を有する者」を追加する―。
 厚生労働省は2月3日に事務連絡「令和2年4月からの要介護認定制度の改正案について」を発出し、こうした見直しを予定していることを示しました。

認定調査を多くの医療・福祉専門職が担うことで、申請から認定までの期間短縮を狙う
 公的介護保険サービスを受給するためには、市町村の調査を受け「要介護状態にあると判定される」ことが必要です(要介護認定)。限りある公的介護保険資源(財源・マンパワー)を、真に介護保険サービスが必要な人へ適切に提供するための仕組みです。
 ただし要介護認定の仕組みについては、▼申請から結果が出るまでに1か月以上かかってしまうこと▼市町村の認定調査員等の負担が大きいこと―などの課題も指摘されています。
 要介護者が迅速に介護保険サービス利用を受けられるようにするためには、「公正性・中立性・正確性などを確保したうえで、要介護認定までの期間を短縮していく」ことが重要です。このため昨年暮れ(2019年11月)の社会保障審議会・介護保険部会において、厚労省老健局老人保健課の眞鍋馨課長は、要介護認定に関する次の2つの見直しをする考えを提示。部会の了承を得て、現在、具体的な見直し内容が厚労省で詰められています。

▽更新認定の2次判定において「直前の要介護度と同じ要介護度である」(つまり要介護度の変化なし)と判定された者について、有効期間の上限を現行の36か月(2018年度に従前の24か月から36か月に延長)から48か月に延長することを可能とする
▽認定調査の実施者について、「介護支援専門員以外の保健、医療、福祉に関しての専門的な知識を有している者」への委託も可能とする

 今般の事務連絡では、後者の「認定調査実施者の拡大」に向けた考えを示しています。認定調査実施者の裾野が広がれば、個々の調査実施者の負担が減るとともに、「裁ける」件数が増加するために、申請から判定までの期間短縮にもつながります。
 上述のように「介護支援専門員以外の保健、医療、福祉に関しての専門的な知識を有している者」への拡大が予定されており、具体的には次のようになる見込みです。

▼認定調査員研修を修了し、(1)または(2)のいずれかに該当すること
(1)介護保険法施行規則第113条の2第1号または第2号に規定される者で、介護に係る実務経験が5年以上である者
(2)認定調査従事した経験が1年以上である者

【介護保険法施行規則】(抜粋して一部改変)
第113条の2
 介護保険法第69条の2第1項の厚生労働省令で定める実務の経験(介護支援専門員として都道府県知事の登録を得るための経験)は、第1号および第2号の期間が通算して5年以上であることとする。
第1号
 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士または精神保健福祉士が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間

第2号
 イまたはロに掲げる者が、身体上・精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の日常生活の自立に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う業務その他これに準ずる業務に従事した期間
イ 老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院その他これらに準ずる施設の従業者またはこれに準ずる者
ロ 特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護予防特定施設入居者生活介護、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第18項に規定する計画相談支援、児童福祉法第6条の2の2第7項に規定する障害児相談支援、生活困窮者自立支援法第3条第2項に規定する生活困窮者自立相談支援事業その他これらに準ずる事業の従事者
 ここから、5年以上の介護実務経験をもてば、相当程度の医療・福祉専門職が、要介護認定調査事務を実施することが可能となると考えられます。非常勤等で、調査業務に携わってもらえれば、非常に大きな戦力となることでしょう。
 ただし、次のような点への留意も必要であることを厚労省は強調しています。

▽今回の改正後も、「指定市町村事務受託法人における認定調査は介護支援専門員が行う」ことを基本とし、新要件該当者による認定調査は「補完的に可能」とする

▽公平・公正かつ適切な認定調査を行う上では、認定調査員として任用した後も認定調査を含めた要介護認定制度への理解を深めていくことが重要であり、▼認定調査を直接雇用職員のみが実施する体制を構築する▼経験年数が長い職員による認定調査への同行▼グループワーク等による研修▼定期ミーティング▼認定調査員向けe-ラーニング受講-等により、公平・公正かつ適切な認定調査を実施するために必要な知識、技能の向上を図っていることなどを、「認定調査を指定市町村事務受託法人に委託するに当たっての条件」として検討するなど認定調査の質確保を図る

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