「食べる順番」で減量、効果を裏付け…岐阜大など

読売新聞 2019年11月10日

 肥満気味で糖尿病にかかる恐れがある人への保健指導について、「食べる順番」に重点を置いた食事療法は減量効果に優れ、栄養バランスに配慮した食事療法よりも続けやすいとする調査結果を、岐阜大や関西電力医学研究所などの研究グループがまとめた。「食べる順番」を実践すれば、保健指導の効果が高まり、糖尿病の発症予防や重症化防止につながることが期待される。
 「食べる順番」による減量効果は、理論的にある程度想定されていたが、今回の研究で初めて明らかになったといい、成果は糖尿病の国際学術雑誌の電子版に10月19日付で発表された。
 発表によると、食べる順番の食事療法は食後の高血糖や体重増加を防ぐ方法として注目されている。
 具体的には、最初の5分間は、ご飯やパン、麺類など炭水化物を多く含むものは避け、野菜やきのこ、海藻など食物繊維が豊富なものから食べた上で、肉や魚、たまごなどのたんぱく質を口にする。その後に、ご飯なども自由に食べられるという。
 炭水化物より食物繊維を先に食べることで、消化管からの糖の吸収が抑えられるとされる。たんぱく質なども先に取り入れると、血糖値を下げる消化管ホルモンの分泌が促され、胃の動きを緩やかにし、食欲を抑制する効果があるという。
 今回の調査は2016年6月から、関西電力保険組合に加入する従業員が協力。健診で糖尿病リスクが高いと診断された42人を対象に身体測定や保健指導などを実施した。
 従業員を、〈1〉食事の順番に重点を置く(食べる順番群)〈2〉栄養バランスに配慮する(栄養バランス群)〈3〉従来の食事療法を行う(従来群)――の3グループに分類。6か月後に体重や食事摂取量の変化、各グループに示された食事の行動計画がどの程度守られているかなどを調べた。
 その結果、体重(平均値)は、食べる順番群と栄養バランス群はそれぞれ0・53キロ・グラム、0・58キロ・グラム減る一方、従来群は0・90キロ・グラム増加。食事の行動計画の順守度(5点満点)を見ると、食べる順番群と従来群はそれぞれ3・5点、3・6点だったが、栄養バランス群は2・9点と、二つの群と比べて低かった。
 岐阜大医学部の矢部大介教授(45)は「食べる順番に重点を置いた食事療法はダイエット、健康増進につながる。継続もしやすいので、指導を呼びかけたい」と話している。

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