【茨城】つくば 脳梗塞メディカルリハ 「リハビリ難民」に選択肢 保険外で提供、需要高く

茨城新聞 2019年9月6日

 公的医療保険や介護保険で受けられるリハビリに満足できない脳梗塞などの患者向けに、保険外で全額自費のリハビリを提供する施設が県内にある。つくば市研究学園のイーアスつくば内にある「脳梗塞メディカルリハ」。運営する牛久市の「M&メディカルリハ」(古渡将也会長)によると、保険外リハビリ施設は関東で数カ所しかなく、全国的にも珍しい。保険制度の枠組みにとらわれず、職場復帰や歩き方の改善など患者それぞれの目標に応じたリハビリを提供している。
 同施設は4月にオープン。住宅販売業などを手掛ける古渡会長が、必要性を感じたことから知人らと共に開設した。8月1日には千葉県柏市に2カ所目を開設し、10月1日には水戸市に3カ所目を設ける予定だ。施設関係者は「従来の枠組みにとらわれないサービスを提供することで、リハビリ難民をなくしたい」と意気込む。
 リハビリには健康保険や介護保険を利用できるが、制約も多い。脳血管疾患の場合、国が定める標準期間は180日まで。介護保険では集団リハビリが中心で、機能の改善よりも維持を目的とすることが多い。背景に、国が医療費の増加を抑えようと保険が適用されるリハビリ期間を制限したことがある。
 そのため全額自費で負担してもリハビリを受けたいというニーズが出てきた。同施設は個人の希望や症状に合わせ、マンツーマンで充実した内容のサービス提供を目指している。
 費用は16回1セットで27万5千円(税別)。患者の目標に応じて理学療法士や医師がプログラムを作成。理学療法士がマンツーマンでリハビリに対応する。週2回の利用を薦めているが、患者の都合でスケジュールは対応可能という。
 約2カ月間通っているという古河市の宇内勝美さん(56)は脳出血による左半身まひの改善が目標。「保険の枠を使い切ったので利用している。インターネットで調べたが、自費の施設は非常に少ないので、もっと増えてくれればいい」と話した。
 1号店の開設後、福島県や埼玉県内の患者らから問い合わせがあるといい、同社の大島康裕副社長は「需要があるのは間違いないが、まだ数が少ないこともあり、認知度が足りていない。今後、出店を早めていくことで選択肢として考えてもらえるようになれば」と話した。

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