離職看護師:学び直し 復帰支援、関西医科大が無料講座

毎日新聞  2019年7月12日

 離職した看護師の復職支援の重要性が高まっている。高齢化が進み2025年に看護師が200万人前後必要になる一方、現役看護師は16年時点で約166万人しかおらず、約70万人(10年末時点)とされる離職中の看護師に期待が集まる。ただ、医療現場は知識や技術が次々と新しくなり、長く離れていると復帰をためらう人が多い。このため学び直しの場を提供する大学もある。
 「チクッとしますよ」「針抜きますね」――。受講生がペアを組み、練習用の模擬の腕に採血や点滴の針を刺す。関西医科大(大阪府枚方市)が開講した復職支援の無料講座「看護師リカレントスクール」だ。技術演習で勘を取り戻すだけでなく、新しい種類の針など以前はなかった器具の使い方も学ぶ。
 受講生は、育児のため離職した人など20~50代の女性7人。6月から2カ月のコースで講義や実技・演習に取り組んでいる。
 枚方市の主婦、田中美佳さん(43)は約8年前、子育てのため同大学付属病院を退職した。復職を考えていた今年3月ごろ、リカレントスクールの受講生募集の手紙が届いた。「技術など細かい点を忘れているだろうと不安で、復職はそれほど本気ではなかった。手紙が背中を押してくれた」
 大阪府門真市の千年(ちとせ)原(はら)美希さん(48)は3人目の出産を機に退職。約13年のブランクがあり、今は新鮮な気持ちで学んでいる。「医療が進歩していて驚かされる。当時は、患者本人に終末期の医療について聞くこともなかった」と話す。
 社会人の学び直しは「リカレント教育」と呼ばれる。同大学は回復期病床や在宅医療での復職を想定し、最新の知識や技術を学べる講習を週3日程度、2カ月間開講。月10万円の奨学金制度も設け、修了後は希望者に大学関連施設での就職を紹介する。看護師のリカレント教育は他にも例があるが、同大学は「講習から就職あっせんまでを一環とした支援体制は他にない」と説明する。
 受講生は出産や育児で離職した人だけではない。兵庫県尼崎市の荒木未希子さんはNPOに所属し、ミャンマーの病院で活動するなど長く日本の医療現場を離れていた。今回の講座を「充実している」と評価し、「海外で活動した看護師を生かせる場所が少ない。医療資機材の少ない現場で経験を積み、外国語も話せる友人がいる。そういう人の復職支援も増えてほしい」と訴える。
 大学は秋に2期生を募集する予定。応募などの問い合わせは、関西医科大総合企画室(072・804・0101)。

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