医療的ケア児、家族に情報を

毎日新聞2019年7月2日 

医療的ケアが必要な長女の菜生ちゃん(手前)と金澤さん=東京都中央区で

ウェブサイト「アンリーシュ」のトップページ
 病気で重い障害がある幼い娘を育てる東京都中央区の金澤裕香さん(31)が、医療のケアを受けながら日常生活を送る子に関する情報を発信するウェブサイト「アンリーシュ」(https://unleash.or.jp/)を運営している。医療的ケア児についての情報が少ないと感じる金澤さんは「私のように悩んでいる家族をサポートしたい」と話す。

 ●生活想像できない
 うれしいはずなのに、不安ばかり--。金澤さんが医療的ケア児を育てる難しさを痛感したのは、生後3カ月から約3年、ほとんど入院していた長女の菜生(なお)ちゃん(5)の念願の退院が見えてきた時だった。持病のてんかんの発作が起きないか、たんがつまらないか、そうした不安で自分はトイレにもお風呂にも行けないのではないか。生活のイメージが全く湧かなかった。
 新生児集中治療室(NICU)を退院してからも自宅で医療的ケアが必要な子は、全国で約1万8000人いると推計される。医学の進歩で死亡や退院できない子が減った分、数は増加傾向にある。
 菜生ちゃんは生後3カ月の時、1カ月時点から体重が増えていないことが判明し、検査入院。医師から筋ジストロフィーの診断を受け「1歳まで生きるのは難しい」と告知された。その後の精密検査で診断は誤りとされたが、病名は今も分からない。3歳まで体調が不安定な日々が続き、敗血症にかかって生死の境をさまよったこともあった。

 ●ウェブで記事配信
 金澤さんは病院の指導で医療的ケアを学び、院内の地域連携室に相談しながら退院の準備を整えた。その時に思ったのが「家族が余計な心配をしなくて済むように、情報不足を解消したい」。ウェブ制作会社を経営する知人の竹内真さん(40)に相談したところ、共感してくれ、一緒にウェブメディアの開設を目指すことになった。
 アンリーシュは、今年1月から記事配信を開始。英語で「束縛を解く」の意味があり「病気や障害を抱える人が解き放たれて自由に生活できる社会」を願って名付けた。
 執筆やシステム運営は、約50人のボランティアが担当する。金澤さんら医療的ケア児を育てる母親らが実体験に基づき、退院後に自宅で使う医療機器の選び方▽訪問看護などの支援体制の現状▽鼻にチューブを付け酸素を吸入しながら子連れ旅行をするための準備の仕方--といった実践的な記事を配信している。関連ニュースの紹介や、イベントの案内もある。

 ●重圧と孤独、解消へ
 菜生ちゃんは自宅のベビーベッドの上で寝たきりの生活を送る。消化不良を起こしやすいため、1日かけて少しずつ栄養剤を注入する。足の親指には正常に呼吸できているか調べるための血中酸素量の計測器。このアラームが鳴ったら、たんの吸引が必要だ。
 サラリーマンだった夫(31)は、自宅でも仕事ができるよう、独立してIT関係の会社を起業した。障害児訪問保育や訪問看護のサービスも利用するが、金澤さんはアンリーシュを始めてから環境の変化と介護の負担で、うつ病を発症した。「私がケアしないと娘は死んでしまう」「一生懸命やっているのに成長しない」。布団から出られない日もあったが、竹内さんらメンバーの支えで落ち着いて過ごせている。
 活動開始から約半年。新たに動画配信や企業研修も始めた。菜生ちゃんは来春の小学校入学を控え、通学や付き添いをどうするかなどの環境を整える必要がある。金澤さんは「記事を通して他の家庭の工夫を知ったり、ウェブ上でつながったりすることで、孤独の解消になれば」と考えている。

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