【茨城】茨城県 「介護助手」高齢者を募集 施設派遣、モデル事業

茨城新聞 2019/6/23

■清掃、配膳ベッドメーク 専門職と役割分担
 介護現場における人手不足の解消に向け、茨城県は、元気な高齢者に「介護助手」として働いてもらうモデル事業を始める。ベッドメークや清掃などを担う人材として介護施設に派遣し、介護福祉士などの専門職が入浴介助など本来の業務に専念できる環境を整える。OJT(職場内訓練)として最初の1カ月は県側が雇用する形で、募集は5月末から始めた。地域医療介護総合確保基金を活用し、本年度は100人程度の派遣を目指す。
 介護現場では入浴やトイレ、食事の介助など専門的な知識や経験が求められる業務のほかに、清掃や配膳、ベッドメーク、見守りなど利用者の身体に直接触れず資格や経験がなくても担える仕事もある。
 このため、働く意欲のある地域の高齢者に活躍の場を提供し、専門職が一手に担ってきた業務を介護助手と役割分担することで、質の高い介護サービスの提供につなげる。
 募集の主な対象は定年退職者や主婦などおおむね60歳以上のシニア層で、資格要件はなし。参入しやすいよう週12時間程度の短時間勤務を想定している。最長1カ月間、特別養護老人ホームなど県内の介護施設に派遣する。時給は千円(上限)とした。
 派遣期間が終わった後は、双方が合意すれば派遣先の介護施設が直接雇用する。施設側には人件費や雇用手続きなどの負担が軽減される利点があり、紹介料も発生しない。
 介護現場では高齢化が急速に進む中で人材確保が追い付かず、慢性的な人手不足が続く。県の推計では団塊の世代が75歳以上になる2025年に必要な介護職員は約4万8千人で、現状のままでは約7千人の不足が見込まれる。
 県福祉人材確保室は「まずは介護現場で働くことへのハードルを下げたい。間近で介護の仕事に触れ、次のステップに進みたいと考えた方への支援もしていきたい」としている。

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