日医・横倉会長、訪問リハ事業所の単独開業にくぎ 未来投資会議による被災地特例の扱い受け懸念

キャリアブレイン 2019年06月20日
横倉会長は、状態が変化しやすい高齢者に対する医師の管理の必要性を強調した(19日、日医会館)
 日本医師会の横倉義武会長は19日の定例記者会見で、医療機関等以外の事業者が、訪問リハビリテーション事業所を介護保険制度の下で開設することについて「患者、利用者およびリハビリ実施職員にとって安全なサービス提供に不安がある。サービスの質の担保についても懸念されるべき状態となる」と反対する姿勢を示した。政府の成長戦略を議論する未来投資会議の「成長戦略フォローアップ案」に、東日本大震災の復興特区に認められている訪問リハビリ事業所の扱いについて記載されたことを受けたもの。
 5日に開催された未来投資会議では、未来投資戦略の案となる「成長戦略フォローアップ案」が示され、その中には復興特区特例措置によって実施されている訪問リハビリテーションへの対応について盛り込まれている。
 具体的な記載としては、「復興特区で活用されている訪問リハビリテーション事業所に係る特例措置が現行計画上今年度末に期限を迎える(福島県を除く)こと」を踏まえ、「被災地以外の全国的なニーズも確認しつつ、医療機関等以外による訪問リハビリテーション事業所設置の特例措置の取扱いについて検討し、関係団体の意見を踏まえ、年度内早期に結論を得る」とされている。この特例措置では、2011年の東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県において、医師不足に対応するために、病院や診療所、介護老人保健施設といった医師の配置が定められている施設でなくても介護保険の仕組みの下で訪問リハビリテーション事業所を開設することが認められている。同案ではこの仕組みを医療資源が不足する被災地以外の地域にも展開する可能性について含みを持たせた。

 これに対して横倉会長は、「理学療法士や作業療法士の業務は医師の指示の下、診療の補助に限定されているため、独立開業はできない」と強調。介護サービスを利用する高齢者は何かしらの疾病を抱えていることが多く、その状態も変化しやすいことなどを理由に、「訪問先で事故が発生したり、患者が急変したりしたときに、医療機関等の開設主体でない事業所では十分な対応が期待できない」と特例措置の範囲拡大について懸念を示した。

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