持続可能な「看護職の働き⽅改⾰モデル」を検討⽇看協、9⽉に労働実態調査へ

キャリアブレインマネジメント 2019年06⽉06⽇ 
 ⽇本看護協会は「2019年度都道府県看護協会看護労働担当者会議」で、看護職の労働環境改善に向けた19年度の事業⽅針を⽰した。看護職の平均年齢の上昇や、仕事と育児・介護の両⽴によるワークライフバランスの課題などを挙げて、「安⼼・安全な医療・看護提供」のために持続可能な労働システムと、健康で安全な職場(ヘルシーワークプレイス)づくりを⽬指すため、「看護職の働き⽅改⾰モデル」の検討に向けて、9⽉に労働実態調査を⾏う考えを明らかにした。 ⽇看協の熊⾕雅美常任理事は、事業⽅針の説明に当たり「看護職の11⼈に1⼈が60歳以上」で、プラチナナース(定年退職前後の看護職)の就業⽐率が⾼まっている現状から、⾝体的な問題に配慮して働き続けられる環境づくりなど、看護職が安⼼・安全に働けるシステムが「早急に求められる」との考えを⽰した。 少⼦化で若いナースが少なくなる中、「皆が応分の負担をしないと現場が回らない」ため、多様な⼈材を、多様な働き⽅で⽣かす必要があるとした。
■政策提⾔のエビデンスとなる、看護職の労働実態に関する基礎データを取得 育児や介護などに対応するため、社会全体で多様な働き⽅への対応が進んでいるが、看護職においては夜勤免除者の増加により夜勤⼈員の確保が困難になるなど、新たな課題も⾒えてきた。 ⽇看協の「病院看護実態調査」では、「1カ⽉以上夜勤を⾏わない期間があった看護職員」の正規雇⽤職員数は17年度に6万8248⼈で、全体の19.1%を占めた。「職場に夜勤があるが現在していない」看護職員が、「夜勤を可能とする条件」として、30歳代では「配偶者の理解・協⼒」が最多だった。 これらの結果から、⽇看協は「看護職の現状」を以下の6点に整理した。 課題解決のための対策としては、▽持続可能な働き⽅モデルの構築▽ヘルシーワークプレイスづくりによって⼀⼈⼀⼈が働きがいを感じる(Decent Work)組織への取り組み▽業務環境の整備▽都道府県ナースセンター機能の充実と発揮―が必要だとしている。 ⽇看協は、「看護職の働き⽅改⾰の推進」に向けて、19年度は「働き⽅改⾰モデル・⽀援ツールの検討」に取り組む⽅針を⽰した。 このため、全国約8400カ所の病院、有床診療所1000カ所、看護職員1万⼈を対象に、9⽉に「看護職の労働実態調査」を⾏うことを明らかにした。看護労働および勤務環境の実態を多⾓的に把握するため、▽働き⽅改⾰法の影響▽労働安全衛⽣▽業務の効率化・⽣産性の向上の実態―などについて、総合的な調査とする⾒通し。 また、この調査から、今後の政策提⾔のエビデンスとなる、看護職の労働実態に関する基礎データを得たい考えだ。
■「看護職のキャリアと連動した賃⾦モデル」冊⼦を発⾏ 看護労働担当者会議に先⽴ち、⽇看協が提案する「看護職の賃⾦モデル」(複線型等級制度)と、「看護師のクリニカルラダー」(⽇本看護協会版)を連動させた⼈事管理制度の導⼊について、「看護職のキャリアと連動した賃⾦モデル」の冊⼦を発⾏した=表=。 「看護職の賃⾦モデル」は、14年から15年にかけて「看護職の賃⾦に関する検討委員会」を設置して、看護管理者や経営者、⼈事・労務管理などの専⾨家らと看護職の働き⽅の課題も含めた賃⾦の在り⽅について検討したもの。この結果などを踏まえて16年に公表した。
表 「看護職のキャリアと連動した賃⾦モデル」より 看護労働担当者会議では、「働き⽅システムの整備」のためには、「同⼀労働同⼀賃⾦」に則して、多様な働き⽅に対する評価と連動した公平な賃⾦・処遇の普及・導⼊⽀援が⽋かせないことから、この「看護職のキャリアと連動した賃⾦モデル」の積極的な活⽤を求めた。 さらに、19年度は「職場のハラスメント防⽌対策」に焦点を当てて、「ヘルシーワークプレイス・キャンペーン」を実施する。特設ウェブサイトを開設し、セミナーも開催する予定。

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